温暖化対策本部・環境創造局の決算特別委員会審査
温暖化対策本部・環境創造局の決算特別委員会審査
2020年10月5日に質問させて頂きました。
Ⅰ.質問項目
1. 水素エネルギー社会の早期実現
2. 風力発電の水素実証事業の今後の利活用
3. 再生可能エネルギーの促進強化
4. 下水道事業における温室効果ガス削減による持続可能な社会の構築
5. 下水道の整備による良好な水環境の創出
6. 地下工事での埋設物配管等の対応
7. 良好な大気環境の確保及び生活環境を確保するための騒音と振動の対策
8. 横浜市発注の残土処理
Ⅱ.質問内容
立憲・国民フォーラムの都筑区選出のふじい芳明です。会派を代表して質問をさせて頂きます。何卒宜しくお願い申し上げます。
決算資料他色々と拝見させていただきました。大変幅広い分野の環境行政に対応して頂き、安全・安心な環境を次世代へ伝えるあらゆる事業に取り組んで頂き感謝を申し上げます。委員長後程スライドを使用致しますので許可をお願い致します。
1.水素エネルギー社会の早期実現
まず最初に水素エネルギー社会の早期実現について質問させて頂きます。
今年の7月は、停滞する梅雨前線と湿った空気の影響で西日本や東海を中心に断続的に激しい雨が降り、川の氾濫による大規模な浸水や土砂災害などの被害が相次ぎました。令和2年7月豪雨の災害で亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。また、今回の豪雨で被害に遭われた方々へ謹んでお見舞い申し上げます。
地球温暖化等に起因する異常気象によるものなのか、近年自然災害での被害が大きくなっており想像を超えるものでした。
私たちは未来を担う子供や孫達により良い環境を残して行かなければなりません。その為に、水素エネルギー社会の早期実現に向けて、私自身は取り組んで行きたいと考えております。
水素エネルギー社会には多くのメリットがあります。
① 水や化合物として無尽蔵に存在
② ロケットを打ち上げ可能な大きなエネルギー
③ 発電や熱の利用も可能
④ CO2が全くでないクリーンなエネルギー
⑤ 水を電気分解し水素に変えることで、貯蔵が難しい電力課題を解決するエネルギー媒体
⑥ 液化して800倍にして運ぶことで送電ロス等も少ない効率的なエネルギーなどあります。
水素エネルギー社会の早期実現が出来れば、パリ協定で定められた温室ガスの削減目標(2030年までに13年比マイナス26%減)も達成可能ではないかとと考えております。
都筑区内でも、水素自動車を増やしたり燃料電池バスが運行出来るようにする為の定置式の水素ステーション、また大規模地震に備えて区内で地産地消が出来る水素発電設備他、水素エネルギーの関連施設の建設に取り組みたいと考えております。
質問①
そこで本市においては水素エネルギーを含めた再生可能エネルギーの普及促進についての重要性を市民に対して定期的に周知を行うことと考えますが、副市長の見解を伺います。
答弁①(副市長)
気候変動対策には脱炭素社会への移行が必要で、そのためには水素エネルギーを含めた再生可能エネルギーの活用が必要だと、市民の皆様もそういうことに関心を持ち、認識をしていると思いますので、私どももそうした認識や知識を行動に変えていくような取組をやらなければいけないと思っております。今年度から太陽光発電設備の導入や低炭素電力への切替えを促すキャンペーンを開始するなど、再生可能エネルギーの普及促進に向けた取組をこれからも幅広く行っていきたいと思います。また、横浜市自らもFCV、EVの導入や、市役所の再エネ100%化など、そうした取組を率先して進めまして、市民や事業者の皆様と一体となって、オールヨコハマでこうした普及に取り組んでいこうと、そういう機運を高めていきたいと思っています。
質問②
水素エネルギーを含めた再生可能エネルギーの普及や周知はできていると思われているのか副市長の肌感覚でいいので見解を伺いたい。
答弁②(副市長)
先ほども、この委員会で指摘されましたけれども、まだまだ数字として成果を達成することができていないというか、その途上にあると思っています。ですから、先ほど申し上げたとおり、肌感覚で大変恐縮ですけれども、市民の皆様は認識だとか知識だとか気づきだとか、子供たちの環境教育も進んできていますから、着実に進んでいると思っていますけれども、それを行動に変えていく、そうしたところにはまだまだ取組が必要だと思っています。
質問③
次に、本市においても導入されました燃料電池バスは、災害時の非常用電源に活用できることのみならず、環境に優しい車両であることから、引き続き燃料電池バスの導入における支援が必要と思いますが支援の状況について、環境保全部長に伺います。
答弁③(環境保全部長)
昨年9月に交通局が導入した燃料電池バス1台のリース費用のうち、通常のディーゼルバスを導入した場合の費用と比較した増額分を環境創造局で負担しています。
質問④
交通局への支援状況の答弁ありがとうございます。交通局と言えば、地下鉄の車両もありますが車両への導入検討をされているのかまた同じ常任委員会であります資源循環局のごみ収集車への導入検討をされているのか環境保全部長如何でしょうか。
答弁④(環境保全部長)
燃料電池の地下鉄車両やごみ収集車に関しては、車両の試作や試験運行が進められている段階と認識しています。引き続き、今後の技術開発や実用化の動向を把握していきます。
質問⑤
燃料電池バスの導入拡大に向けた促進の考え方について環境創造局長に伺います。
答弁⑤(局長答弁)
現在は、交通局の燃料電池バス、これは現時点では市内唯一の燃料電池バスとなるため、運行中の乗客等への普及啓発のほか、環境創造局と交通局が連携をいたしまして、様々なイベントで展示をする等々の活用をしながら、PR活動を今後とも積極的に行ってまいりたいと考えております。
質問⑥
答弁を聞いて質問をさせて頂きたいです。排気量の大きい大型トラックは、CO2の排出量でいうと車両全体の排出量の70%を占めるといわれています。各国の環境規制の達成には、実は大型トラック・バスの環境性能の大幅な向上が必須となると思いますが局長の見解を伺います。
答弁⑥(局長答弁)
環境に占めるインパクトの度合いというものは、通常の車に比べて、大型のバス、トラック、ダンプ等は大変大きいものがあるというのは先生のご指摘の通りでございます。そういったところに燃料電池の技術を導入していくということも効果的であろうとは思います。ただ、車両価格が非常に高いということもございますので、今後の普及拡大に向けては、様々なハードルもございますけど、今後幅広く検討はしていきたいと思います。
質問⑦
特に燃料電池バスが利用できる水素ステーションの新設及び既存設備の増設を行い燃料電池バスの対応等既存設備の増強を進めていくべきと考えますが、温暖化対策統括本部長の見解を伺います。
答弁⑦(統括本部長答弁)
交通局の燃料電池バスにつきましては、燃料電池バス向けに改造を行った横浜南水素ステーションで水素充填を行っております。先生からご指摘いただきましたように、FCバスを普及させるには、それに対応したステーション整備、その両方を両輪として進めていく必要があると認識しております。
質問⑧
燃料電池発電システムを横浜市役所新庁舎に設置しされました。これには都市ガスや天然ガスを改質して水素ガスが使われていると思います。使われている水素ガス等を利用し圧縮して水素ステーションを市役所内に作れるのではないかと私自身は思います。市役所内に水素ステーションを設置することについて、温暖化統括本部長はどのように思われているの見解を伺いたいです。
答弁⑧(統括本部長答弁)
新市庁舎で使っている燃料電池につきましては、基本的には新市庁舎の消費電力に充てていくということだと思います。基本的に市内のステーションの水素は、あのJXTGが石油から生成しているものでございますけれども、当然今後は、CO2フリー水素の使用量をだんだん増やしていく、そういう方向に向かって、頑張っていかなければならないと思っております。
埼玉県庁や愛知県庁や福岡県庁の敷地内には水素自動車に充填できる施設があるようですが、是非横浜市役所もそのような取り組みを実施して頂ければと思います。引き続き水素エネルギー社会の早期実現に向けて、次世代自動車の普及促進や事業者の取組支援を継続して頂くことをお願いし、次の風力発電の水素実証事業の今後の利活用の質問に移ります。
2.風力発電の水素実証事業の今後の利活用
再生可能エネルギーの利用促進や地球温暖化対策に資すると共に市民のお一人おひとりが具体的な行動を起こすきっかけとする事業として、また横浜のシンボルとして市民に親しまれる風車となるように風力発電施設の維持管理がされております。横浜市や川崎市や神奈川県や民間企業と共同で、CO2フリーな風力発電により製造した低炭素水素を燃料電池フォークリフトへ供給する実証事業をされており、この水素実証事業が延長されたと決算書に記載がありました。
質問⑨
そこで、どのような理由で、当初よりどれくらいの期間延長になったのか、副本部長に伺います。
答弁⑨(副本部長答弁)
この実証事業は、環境省から水素関連事業者6社への委託事業といたしまして、平成27年から4か年の予定で開始をされました。その中で、本市及び神奈川県、川崎市は協力自治体として参画をしてございます。低炭素水素のサプライチェーン構築を目指しまして、水素価格やCO2削減効果などについて様々な検証がこれまで行われてまいりましたが、環境省及びこの6社の事業者による協議が行われた結果、平成31年から令和2年度までの2年間の延長が判断されております。期間が延長となった本水素実証事業が2020年12月に終了し、翌年1月から設備の撤去を行うと伺いました。本事業には横浜市も参画されており、メリットやデメリットもわかり課題も共有されたと聞きました。
質問⑩
このような水素事業を広めるためや、水素のコストを下げるために横浜市としても今まで経験されたことも活かして積極的に利活用するべきと考えますが、温暖化対策統括本部長に見解を伺います。
答弁⑩(統括本部長答弁)
今回の実証事業では様々な検証を行いましたけれども、何といっても先生ご指摘のとおり、水素価格が大きな課題であることが確認できました。
水素は脱炭素化に向けて、非常に重要なエネルギーと認識しておりますので、今後も、より安価に水素を供給できるビジネスモデルが構築されるように、国や事業者と連携しながら、横浜市も積極的に取り組んでまいります。
3.再生可能エネルギーの促進強化
次に再生可能エネルギーの促進強化の質問をさせて頂きます。我々人類の進歩は、エネルギーの変革ともに進歩してきました。約50万年前、北京原人が火を使い始めたことが、最初のエネルギー革命といわれています。火を使えるようになったことにより、生活の利便性は向上しました。その後、18世紀になり、第二次エネルギー革命が起きます。それは、石炭を利用する蒸気エネルギーの出現です。これにより今まで手作業だったものの工業化が進み、大規模化、生産性の向上によりいわゆる産業革命へとつながり、物をより多く生産できる時代へとなりました。そして、第三次エネルギー革命は20世紀におこります。これは、石油と電気の登場です。石油は、工業製品の材料から車や船、飛行機の燃料、そして発電まで、我々の生活にはなくてはならない存在となっています。電気も同じくです。今、我々が快適に生活するためにも、企業が経済活動するためにも、これらは欠かせない存在となっています。しかし、これらの状況が近年になり、がらりと変わる様相が出てきました。石油を使った大量のエネルギー消費により、地球温暖化や環境破壊が進み、その石油の代替エネルギーと考えられていた原子力は2011年の原発事故を機に、その危険性から使用を危ぶまれるようになりました。そこで、期待されるようになったのが再生可能エネルギーです。これは、風力や太陽光、バイオマスといった自然エネルギーを主体としたものでありそれは、多岐にわたります。再生可能エネルギーのメリットとしては、環境にやさしいのはもちろんのことその多種多様な手法により場所に合わせた発電が出来るということもあります。今までは、水力発電にしても、火力発電にしても、原子力発電にしても、巨大な発電所を一か所作り膨大な電力を補う形でしたが、再生可能エネルギーによる発電はそうではありません。例えば、温泉地帯では、地熱、潮の満ち引きを利用した潮汐(ちょうせき)、その他、太陽光や風力などがあり、定在適所での設置が可能なのです。これは、ただ単に大型施設がいらないだけなく、2011年の時のような電力供給不足や北海道胆振東部地震の時のようなブラックアウトを防ぐことが出来るのではないのかと考えております。本市では青森県横浜町の再エネ電力を横浜市内へ供給開始されておりますが、この事業をもっと普及するためには再エネ電力の見える化が必要であると思います。
質問⑪
そこで本市の再エネ電力の見える化をどのようにしていくのか、企画調整部担当部長の見解を伺います。
答弁⑪(企画調整部担当部長)
電気を使う各需要家の皆さん使っている電力が、その再生可能エネルギーかどうか、またあるいは再生可能エネルギーの中でも横浜市が連携しております東北のどのような場所で作られた電気なのかどうか、こういったことを示すことで、その電気の付加価値が高まりまして、ある意味需要喚起にも一定の効果があるのではないかというふうに考えています。こういった実際に電気の産地を紐づける技術なども民間ベースで色々取組が進んでおりますので、そういったところとも連携して、また、市としても、こうした「電気の見える化」のメリットを伝えながら、再生可能エネルギーの拡大に努めてまいりたいと考えております。
質問⑫
電気のタッチパネル表示の検討されているのか
答弁⑫(企画調整部担当部長答弁)
市の中でも非常に大規模な電力を使っている立場として、市役所が率先垂範の観点から再生可能エネルギーを使っていく、これも普及啓発の観点からも非常に重要な取組であると考えております。こういった事実を、市民の皆様にわかりやすく伝えていく、この方法についても、引き続きご指摘も踏まえながらしっかりと考えていきたいと思います。
質問⑬
また、東北の都市と連携した事業の促進強化を行うためにどのようなことを取り組むのか、副市長に見解を伺います。
答弁⑬(副市長)
東北12市町村との関係につきましては、はじめたばかりといったところでございまして、いかに再生可能エネルギーに由来した、その電気を使っていただく方を増やすということにつきると思います。そのためには、やはり価格の問題がございます。まだまだ導入していただいた事業者の皆様は、工夫していただいているのですけれども、ある支店の一部だとか、オフィスの一部だとか全体の供給に至っておりません。ですから、再生可能エネルギーの必要性を引き続き訴えを続けていくとともに、電力供給がどういったものであるかというのを冒頭にご説明しましたけれども、市民の皆様あるいは事業者の皆様にどうご理解いただくか、そこのポイントをしっかりとやっていく、その際に、12市町村とのやりとり、この30年後、2050年を目指してゼロカーボンヨコハマを目指した取組の一つであるということを丁寧に説明していきたいと思っております。
4.下水道事業における温室効果ガス削減による持続可能な社会の構築
次の質問に移ります。都市における重要な社会基盤である下水道は、安全安心なサービスを提供するため休むことなく稼働しており、継続的に電力を消費しています。本市下水道事業における温室効果ガス排出量は、市役所全体の排出量の約20%を占めており、「横浜市地球温暖化対策実行計画」において、2013年度比で2030年度までに26%削減するという目標を掲げています。本市下水道事業では、これまでにもさまざまな温室効果ガス削減に取り組んでいますが、下水汚泥のエネルギーや資源の再生活用をしている、消化ガス発電と下水汚泥の燃料化についてお聞きします。
質問⑭
最初に、下水道資源を活用した消化ガス発電のこれまでの取組について、下水道施設部長に伺います。
答弁⑭(下水道施設部長答弁)
下水の汚泥処理の過程で発生する、消化ガスを用いて北部及び南部汚泥資源化センターで、建設当初より消化ガス発電システムを導入しています。これにより、年間約4千7百万キロワットアワーを発電しており、約1万6千世帯分の電力に相当します。 一層の再生可能エネルギーの利用拡大を図るため、発電設備の更新に合わせ、発電能力を増強し、温室効果ガスの更なる削減の取組を進めています。また、汚泥を利用しバイオ燃料として活用していると聞いています。循環型社会の構築、安定した下水汚泥処理、時代のニーズに合った有効利用を進めるとともに、社会情勢の変化に対応できる活用手法の多様化が必要です。
質問⑮
そこで、下水汚泥を活用した汚泥燃料化のこれまでの取組について、下水道施設部長に伺います。
答弁⑮(下水道施設部長答弁)
下水汚泥燃料化は、これまでの焼却に加え、下水汚泥を炭化することにより燃料化物を製造するもので、再生可能エネルギーとして、石炭などの化石燃料の代替として有効利用されています。南部汚泥資源化センターでは平成28年より、北部汚泥資源化センターでは平成31年より稼働し、年間約1万トンを製造しています。下水道資源を活用した温室効果ガス削減に取り組むなど効率的に事業を推進しており、また下水道資源を活用することは循環型社会の構築にも寄与する重要な取組にもなります。
特に本市では汚泥の集約処理を行っており、市内2か所に集められた下水汚泥は、非常に高い資源としてのポテンシャルを持っており、このような資源を有効活用した温室効果ガス削減へ向けた取組は、今後も強力に進めていただきたいと思います。次に、365日24時間休むことなく稼働している水再生センター等の下水道施設では、運転に伴う温室効果ガスが継続的に排出されています。そのため、運転により排出される温室効果ガスを、日々の業務の中で少しでも削減することも重要であると考えます。
質問⑯
そこで、下水道施設の運転における温室効果ガス削減の取組について、下水道施設部長に伺います。
答弁⑯(下水道施設部長答弁)
下水道施設の運転においては、これまでの取り組みに加え、新たな技術の導入や、よりきめ細かな運転制御の取組などを進めてきました。具体的には、気象データを活用した送風機制御の検証、新たな水質計器を活用した水処理制御の導入、処理水質と使用電力量の関係を見える化した運転、照明器具のLED化、水力発電実証実験の取組などにより、温室効果ガス削減に取り組みました。
質問⑰
答弁中にあった電力の見える化の具体的な取組について伺います。
答弁⑰(下水道施設部長答弁)
見える化の一つの例としましては、水再生センターで使用する電力と、例えば水質のデータであるとか、そういったものを、グラフ化する2軸管理という言い方をしておりますが、電力と処理の効果を対比して見えるようにする、このような取り組みを進めているところでございます。今後、下水道事業において、老朽化した設備の更新や浸水対策といった喫緊の課題に取り組みつつ、水再生センター等における良好な水処理と温室効果ガスの削減を両立しながら進めていく必要があります。
2030年における26%削減という目標達成に向けて残り10年となり、これまでの大小さまざまな温室効果ガス削減の取組に加えて、更なる計画的な取組が必要であると考えます。
質問⑱
そこで、温室効果ガスの2030年26%削減へ向けた今後の取組について、環境創造局長に伺います。
答弁⑱(局長答弁)
2021年度までに7%削減という短期目標に対して、消化ガス発電や汚泥燃料化といった取組により、2018年度に9%削減を達成しています。今後、温室効果ガスの排出量の大きい水処理過程において、使用電力の低減や新技術導入などあらゆる取組を進めることで、温室効果ガス26%削減という大きな目標達成に向けて引き続き、しっかり取り組んでいきます。
引き続き、新技術の導入などあらゆる手段を模索しながら、温室効果ガス削減による持続可能な社会の構築へ向けて、一丸となってがんばっていただきたいと思います。
5.下水道の整備による良好な水環境の創出
次に、良好な水環境の創出について伺います。
下水道の普及拡大により、河川や海の水質は改善したものの、首都圏臨海部と房総半島、三浦半島に囲まれ、外洋と水が入れ替わりにくいため、閉鎖性水域であると称される東京湾では、赤潮の発生や魚介類の大量死を招く青潮の発生が依然として問題となっています。
このような問題に対応するため、スライドをご覧下さい。本市の水再生センターでは、標準的な処理法に比べ水質改善に効果のある高度処理というものを導入していると伺っています。一枚目がこれまでの処理方法 2枚目が高度処理と図となっております。
質問⑲
そこで、水再生センターにおける高度処理の目的について、下水道計画調整部長に伺います。
答弁⑲(下水道計画調整部長答弁)
赤潮や青潮を引き起こす富栄養化の原因である窒素やリンの公共用水域への流入を削減するなど、良好な水環境を創出することを目的に、高度処理を導入してきています。特に閉鎖性水域である東京湾では、国や流域の関係自治体と密に連携しながら、取り組んでいます。
市内には11か所の水再生センターがあり、そのうち8か所の水再生センターが東京湾に下水処理水を放流していると伺いました。高度処理の導入は、日々の処理を継続しながら、順次進めているとのことですが、
質問⑳
横浜市の水再生センターにおける高度処理の導入状況について、下水道計画調整部長に伺います。
答弁⑳(下水道管路部長答弁)
高度処理の導入に当たっては、水処理設備を新たに更新する必要があることから、設備の老朽化による更新のタイミングと合わせ、順次高度処理化を進めています。8水再生センター全46系列の内、令和元年度末で6水再生センターの27系列に高度処理が導入されており、導入率は59パーセントとなっています。
山下公園周辺で開催される「世界トライアスロンシリーズ横浜大会」では、水泳競技が横浜港で開催されるなど、より一層の水質改善が期待されています。
国際都市として横浜の海が世界に誇れるよう、良好な水環境の実現に向け、高度処理の導入が進むことを期待して、次の質問に移ります。
6.地下工事での埋設物配管等の対応
次に地下工事での埋設物配管等の対応について伺います。
港北区で2か所での道路陥没事故では付近の地下で相鉄東急直通線のトンネル掘削工事が行われていたと聞いております。地下工事での埋設物配管等の対応が心配されていると思います。
質問㉑
そこで、地下に埋設されている下水道配管の埋設位置の測定は、深さに応じてどのように測定されているのか。またその測定精度や測定誤差について下水道管路部長に確認させてください。
大口径、中口径、小口径で違う場合は、それぞれ確認させてください。
答弁㉑(下水道管路部長答弁)
埋設位置が浅い口径の小さな下水道管につきましては、地表面から直接、下水道管の位置を測量しています。幹線や埋設深さが深くて地上から下水道管を掘れないような中大口径のものにつきましては、地上の基準点からマンホールの底に基準点を移しまして、そこの基準点から水平方向に中大口径のパイプの位置を測量しております。測量精度につきましては、測量法に基づく作業規定の準則というものがございまして、精度としては5ミリメートル以内ということにしており、口径の大小を問わず、誤差は殆どないという状況です。
質問㉒
実際の測定値と下水道台帳に記載されている値との誤差はあるのか。下水道管路部長に伺います。
答弁㉒(下水道管路部長答弁)
下水道工事が完成した際に測量を実施しておりまして、この測量結果を基に、正確な下水道管の情報を台帳に記載しております。施工時期が古い管きょについては、経年により、下水道の埋設位置が変化する可能性もございますので、下水道台帳に記載した内容と現在の位置がズレる場合もございます。
スライドをご覧ください。
これは国会でも資料提出されました金井汚染水幹線とシールドの離隔を表した図面です。
横浜市から提示された図面を基に設計をして離隔距離が約30cmというものです。
その後平成29年に現地調査された計画ではわずか3cmという報告があったと聞いております。誤差が生じていることになると思います。
質問㉓
下水道管と公共工事の設備の離隔がどれくらい離れたものに解析や協議を行うようにしているのか下水道管路部長に伺います。
答弁㉓(下水道管路部長)
個々のパイプの埋設位置、他事業者がどこにパイプを埋設するかということはそれぞれケースバイケースでございます。周辺の地盤状況、下水道管との離隔、施工方法を考慮して、他の事業者において下水道管への影響があると想定される場合は、私共と協議をいただくように、また、事業者において影響の解析を行っていただく、検証等を実施するように求めているところです。
質問㉔
令和2年7月に協議書の変更協議として横浜市に提出されて資料には縦段勾配の見直しで100cmとされて再協議と聞いております。一度30cmで協議されて再協議で100cmになったと聞いておりますが、70cmも離れて再協議されることになっております。明確な離隔基準が必要と思いますが見解を伺います。
答弁㉔(下水道管路部長)
近接する下水道管の太さ、深さもまちまちでございまして、例えば、このくらいの深さでこのくらいの大きさのものでこのくらい離れていれば影響があるといったものは、それぞれのパイプが埋設されている地盤状況も異なりますので、一律明確な基準というものはございません。その都度ご協議いただくという状況でございます。
質問㉕
施工中や施工後、実際の離隔距離が心配です。他工事で横浜市の下水道管が破損すると大変なことになります。施工中、施工後に実際の離隔距離はどのように確認しているのか下水道管路部長に伺います。
答弁㉕(下水道管路部長)
近接工事は様々でございまして、下水道管への影響を及ぼさないように、下水道管との離隔、変位の測定方法を協議の中であらかじめ打ち合わせをさせていただいております。日常的に計測を実施していただくように事業者に求めております。施工中の計測結果については、事業者から随時報告を受けるということもしております。近接施工が終わった後も、事業中は計測結果の報告を求めて、下水道管との離隔をその都度確認しているという状況でございます。
7.良好な大気環境の確保及び生活環境を確保するための騒音と振動の対策
次に、良好な大気・音環境の確保について伺います。
安全で安心な生活環境の実現に向けて、環境保全対策を進めることは大切なことと思います。市内の大気汚染や水質汚濁の状況を把握するため、監視センターでは環境測定を継続的に行っていると伺いました。測定結果の経年変化を見ると、大気や水の環境は、かつての状況から大幅に改善されています。水環境については、水再生センターにおける高度処理の導入について先程お聞きしたところです。
質問㉖
そこで、大気の改善に向けた現状の取組について、環境保全部長に伺います。
答弁㉖(環境保全部長)
固定発生源である工場、事業場に対して、法令等に基づく、届出審査や排ガス測定を伴う立入検査などの指導を行っています。
また、移動発生源対策として、排出ガスの基準を満たしていないディーゼル車の運行規制など、自動車の排出ガス対策にも取り組んでいます。
様々な環境改善の取組によって、横浜市の環境は改善されてきていますが、環境基準に適合していない項目もあると伺っています。特に、毎年「光化学スモッグ注意報」が発令されており、依然として、光化学オキシダントの改善に向けた課題が残っています。
質問㉗
そこで、今後、光化学オキシダント対策にどのように取り組んでいくのか、環境保全部長にお伺いします。
答弁㉗(環境保全部長)
光化学オキシダントは、自動車や工場からの排気ガスなどに含まれる窒素酸化物と、塗料やガソリンなどに含まれている揮発性の物質が、太陽からの紫外線を受けて化学反応を起こすことにより、発生すると考えられています。このため、光化学オキシダント発生の原因物質を排出する事業者に対して、法令等に基づく立入調査や排出指導を行うとともに、九都県市が連携して広域的な啓発活動などを推進しています。
また、騒音や振動に関することも生活する上で大変重要なことと思います。生活環境に関する苦情相談件数を見ると、騒音・振動に関する相談が多くなっています。市民が満足できる快適な生活環境を保つためには、市が騒音や振動の相談に対して、地域に寄り添って、適切に取り組んでいく必要があると考えています。
質問㉘
そこで、騒音や振動の相談に対する取組状況について、環境保全部長に伺います。
答弁㉘(環境保全部長)
事業場からの騒音や振動について相談を受けた場合は、速やかに現地調査を実施した上で、法令等に基づき事業者への指導や配慮要請を行っています。
また、法令等の規制対象となっていない、市民の日常生活に伴う騒音や振動については、当事者同士の話し合いなどによる解決に向けて、騒音計や振動計の貸出しや、測定結果に関する相談対応などを行っています。
都筑区をはじめ、郊外部に立地する残土置き場での屋外作業による騒音や振動についても、地域の大きな課題となっている場合もあり、安全で安心な生活環境を確保するために、解決していく必要があるものと考えています。
質問㉙
そこで、屋外作業の騒音や振動に関する相談に対して解決する方法はどのようなことを考えていられるのか、環境保全部長に見解を伺います。
答弁㉙(環境保全部長)
屋外作業による騒音や振動について相談を受けた場合は、現地調査を行った上で、必要に応じて測定を行い、条例に定める判断基準をもとに、公害の発生状況を判断します。判断基準を超過している場合は、塀の設置などの防音対策や、低騒音型の機器や車両の導入、作業時間や作業方法などについて改善措置を講じるよう、事業者を指導します。なお、基準を超過していない場合においても、騒音等の相談を受けていることを事業者に伝え、騒音や振動の低減に配慮するよう要請し、解決を図っています。
引き続き、良好な生活環境の確保に向け、継続した取組の推進をお願いし、次の質問に移ります。
8.横浜市発注の残土処理
最後に建設発生土対策について伺います。本市公共工事が発生する建設発生土の安定的かつ継続的な処理を目的に建設発生土対策事業を実施されております。
また建設発生土の広域的な利用を推進し、他都市への搬出事業も継続されております。
質問㉚
そこで建設発生土の発生量と再利用状況等の調査方法について、政策調整部長に伺います。
答弁㉚(政策調整部長)
建設発生土の発生量と再利用状況等の調査方法については、本市の工事発注部署へヒアリング調査を行い集計しました。
質問㉛
調査方法はヒアリングだけか
答弁㉛(政策調整部長)
書式等で提出してもらっています。
質問㉜
調査の誤差は無いのか
答弁㉜(政策調整部長)申請は現場ごとに増減しているが、全体では大枠で誤差はありません。
次に建設発生土の広域的な利用を推進されているので、中間仮置き場も利用されていると思います。
質問㉝
そこで中間仮置き場等への搬入・搬出についても把握すべきと考えるが、政策調整部長に見解を伺います。
答弁㉝(政策調整部長)
本市が発注の公共工事の建設発生土については、 状況に応じた処分地を指定し対処しています。環境創造局では、最終処分に関する処分先や処分量など全体を把握しています。また、仮置き場が必要な公共工事においては、各局の工事ごとに請負事業者と本市監督員が施工計画書等にて確認をしています。
これで質問を終わらせて頂きます。引き続きかけがえのない環境を未来へつないで頂きたいと思います。引き続き市民の皆様の安全と安心な生活環境を守るために把握に努めて頂きたいと思います。