本会議の一般質問に登壇
Ⅰ.令和4年第3回市会定例会一般質問
- 質問日時:9月8日午前
- 質問時間:23分間(会派持ち時間45分)
- 質問数:21問
- 都筑区選出 ふじい芳明
Ⅱ.質問項目
- 中期計画2022~2025(素案)
- 1.1.人口減少社会を迎える中で横浜を取り巻く課題
- ①本格的な人口減少社会を迎える中、横浜を取り巻く課題をどのように認識しているのか
- 1.2.基本戦略の考え
- ②中期計画の基本戦略に込めた思いについて
- 必要な時期に希望する治療が受けられる新たな取組について
2.1.積極的な公表
③ 新型コロナウイルスに感染し、医療的ケアが受けられなくて亡くなった人数、亡くなった原因を横浜市としてしっかりと調査し公表すべき
2.2. 必要な時期に希望する治療
④医療ひっ迫を防ぎ、必要な時期に希望する治療が受けられるように、本市として新たな取組が必要
3.がん患者とその家族に寄り添う支援の拡充
3.1.がんゲノム医療の拡充と更なる発展
⑤ がんゲノム医療について広く市民の皆様に周知し、がんゲノム医療を充実させて、本市でも新たな治療が出来るように取組を進めるべき
3.2. 早期な段階での緩和ケアの提供拡大
⑥ がんと診断された早期に緩和ケアが本市で受けられるよう取組が必要
3.3.在宅医療の体制強化と支援や援助の充実
⑦ 安心して在宅医療が受けられるように本市としても体制を強化し、かつ医療従事者や患者側の両方に横浜市独自の支援が必要
3.4. 在宅医療と介護の情報連携強化による在宅医療と介護が一体的な提供
⑧ 在宅医療と介護の連携強化により、切れ目のない在宅医療と介護が一体的に提供されるように、横浜市として更に取組を進める必要
4.子育て支援の充実
4.1.出産にかかる費用負担軽減の早期実現
⑨ 出産費用の無償化に向けた現状の取組状況と今後の方向性について
4.2.待機児童と保留児童に対する取組強化
⑩ 全体の保育供給量を増やすだけでは待機児童と保留児童の問題は改善せず、定員割れ園と人気が高い園の調整や保育士の処遇改善を横浜市独自でさらに行うべき
4.3.認可外保育園の支援強化
⑪ 認可外保育施設に対して横浜市独自の基準を設け、助成を行うべき
4.4.放課後児童健全育成事業の助成強化
⑫ 放課後児童健全育成事業における指導員のなり手確保のため、横浜市独自の助成を行うべき
5.介護と医療の連携強化
5.1.介護と医療の保険証のまとめ
⑬ 各保険証を一つにまとめて更新等の手続きが出来るように見直しを早期に検討して、新たな取り組みを本市としても行うべき
5.1.介護と医療の双方の制度利用者の負担軽減
- 介護及び医療の情報連携により、双方の制度利用者の負担を軽減すべき
6.地域交通の新たな取組
⑮ 地域の総合的な移動サービスについて、新たな取組が必要
7.デジタル社会の早期実現
7.1.各局のデジタル化の取組加速
⑯ デジタル統括本部が司令塔となって、各局のデジタル化の取組を加速させるべき
7.2. デジタルプラットフォームの利用促進
⑰ デジタルプラットフォームを、市民の声を聴く手段として、積極的に活用していくべき
8.中学校給食
8.1. 選択制から中学校給食の利用を「原則」とする方針
⑱選択制から中学校給食の利用を「原則」とする方針を打ち出したことに対する市長の想い
8.2.中学校給食の栄養バランス
⑲選択制から原則中学校給食の利用に変更にあたり、食育を一層推進すべき
8.3.今後の中学校給食の方向性の実現
⑳今後の中学校給食の方向性の実現に向けた決意
9.中期計画における施策の推進と財政の健全性の維持の両立
㉑中期計画において「施策の推進と財政の健全性の維持の両立」にどのように
取り組んでいくのか
Ⅲ.質問内容と答弁
立憲民主党の都筑区選出のふじい芳明です。会派を代表し質問をさせて頂きますので宜しくお願い致します。
医療だけでなく、介護でも、子育てでも、あらゆる分野で、新型コロナウイルス症の感染拡大に伴い、お困りの方が多い中で、安心して暮らせる社会、その実現が何よりも重要だと考えております。
介護職員、保育士さん 看護師さん、老後や子育てや医療その安心を担う多くの仕事が重労働なのに低賃金しかも非正規が多い。
そこに十分なお金を注いでないから不安定な人手不足が慢性化している状況と思います。
老後や子育て医療への安心が高まらない、こうした皆様方の賃金は政治で決めれば上げることが出来ます。
そうすればその皆様に注ぎ込まれた賃金が上がったものは消費に回り、老後や子育てや医療への安心が高まれば、消費が増えて来ると思います。
安心して子どもを産み育てたい、だけど医療やそして子育てや教育にお金がかかる。希望しても子供を産み育てることを断念せざる得ない若者たちが居ります。
お預かりしている税金のそもそも預かり方と使い道を変える。
老後や子育て雇用や医療などこうしたところの安心を高めたいと考えております。そうした観点から、山中市長と鯉渕教育長に質問をさせて頂きたいと思います。
1.中期計画2022~2025
安心して暮らせる社会の実現に向けては、医療、介護、子育てなど、あらゆる分野での総合的な視点での市政運営が求められます。市長は8月30日に今後の市政運営の中長期の方針となる中期計画2022~2025の素案を公表されました。令和3年の人口動態が戦後初めて減少に転じるなど、横浜を取り巻く環境も大きく変わり始めています。
そこでまず最初に、
① 今後、本格的な人口減少社会を迎える中、横浜を取り巻く課題をどのように認識しているのか、市長に伺います。
《市長答弁①》いよいよ横浜も本格的な人口減少社会に突入していくことになり、大きな転換期を迎えております。人口減少によって、市税収入の減少、社会の担い手不足、需要減少による市内経済への影響などが懸念されていますので、人や企業を呼び込み、都市の活力を維持向上させることが重要であると考えております。
こうした状況の中で、山中市長は、非常に難しい市政のかじ取りを担っていくわけですが、今回、市長が公表した中期計画の素案では、新たに「基本戦略」を打ち出しています。「基本戦略」では「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を掲げ、様々な施策に取り組んでいく考えを示しています。市長は「子育て支援」の重要性を強調されましたが、「基本戦略」はまさに山中カラーを前面に打ち出したものと受け止めています。
そこで、
② 中期計画の基本戦略に込めた思いについて、市長に伺います。
《市長答弁②》人口減少社会を迎える中では、先人達から受け継いできた都市基盤や高い市民力などの資源を生かし、子育てしたいまち、次世代を共に育むまちとしていくことが重要です。子育て世代への支援はもちろん、生活環境づくり、安全・安心の確保など、高齢者にも優しいまちに向けて、総合的に取り組むことで、横浜の魅力を更に高め、市民生活の質と都市の活力の好循環につなげてまいります。
中期計画は、今後4年間の山中市政の方向を位置付ける非常に重要な計画です。市長のリーダーシップのもと、横浜の将来に向けて素晴らしい計画となるようお願いをして次の質問に移ります。
2.必要な時期に希望する治療が受けられる新たな取り組みについて
「必要とする時期に希望する治療が受けることが出来なかった」こんな不安な社会は変えて行かなければなりません。新型コロナウイルス感染症の累積死者数は9月7日で4万1887人、累積死者数は2022年5月で3万人を超え、8月で4万人超えております。10人に1人は医療的ケアを受けられずに亡くなられた可能性があるとも言われております。8月23日の国内の死者数は、過去最大で343人となっております。また神奈川新聞によりますと、神奈川県内の8月9日時点の「確保病床使用率」は98.3%で、全国で最も高かった。と報道されております。
そこで
③ 新型コロナウイルスに感染し、医療的ケアが受けられなくて亡くなった人数、亡くなった原因を横浜市としてしっかりと調査し公表すべきと考えておりますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁③》本市では、これまで重症化リスクのある方へ、限りある医療資源や保健所の対応を集中させてきました。その結果、コロナ患者が陽性判明後、医療につながらなかったことで、死亡に至った事例は、現在までありません。引き続き、市民の皆様の命と健康をお守りするため、私自身が先頭に立って、必要な対策を講じていきます。
横浜市はどのような状況なのか、安心できる状況なのか不安な状況なのか、心配されている方も多いと思います。是非公表に向けて取り組んで頂くことを要望させて頂きます。
またコロナ患者が多く、治療や手術の延期など一般外来を制限されている医療機関もございます。本来、患者さんは自由に治療を選択できること、これが治療の原則だと思います。患者さんは、保険診療上許されるあらゆる治療を受ける権利があり、また、患者さんの最善の利益のために治療が行われなければならないと考えております。
そこで、
④ 医療ひっ迫を防ぎ、必要な時期に希望する治療が受けられるように、本市として新たな取組が必要と考えますが、市長の見解を求めます。
《市長答弁④》これまで、医療従事者の皆様の懸命な御尽力により、何とかコロナに対する医療と、救急やがん診療など通常医療との両立を図ってきました。今回の第7波では、医療機関のひっ迫を防ぎながら、重症化リスクの高い方を確実に医療につなげるため、国や県に先駆けて、発熱外来で抗原検査キットの配布を行ってきました。現在、国において、全数把握の見直しなど、医療現場等の負担軽減や、重症化リスクのある方への対応の重点化が議論されています。本市でも、これまでの経験や、国の見直しの動向も踏まえ、感染が再拡大した際にも、限られた医療資源を最大限活用して、市民の皆様が必要な医療を受けられるよう、取り組んでいきます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で医療が逼迫すると、感染患者やその他病気を抱えている患者に対して、このような治療の選択の原則が崩れてしまうと思います。この異常な状態を一刻も早く通常に戻し、市民の命を守り、安心して暮らせる社会、その実現ができるように、市長として医療分野での改革を本市から行って頂くことを強く要望させて頂きます。
3.がん患者とその家族に寄り添う支援の拡充
次にがん患者とその家族に寄り添う支援の拡充について伺って参ります。今年の3月に最愛の妻が膵臓癌で他界をしましが、妻の看護をしていた時も、病院や看護施設等で同じがん患者やその家族から多くのご意見やご要望のお話を伺う機会がございました。特に副作用で辛い抗がん剤治療を行っていた際は、同じ悩みを持つ市民の方から、抗がん剤治療がだんだんと効果が無くなってしまい、がんの方が強くなり、耐性を作り、抗がん剤の治療の種類も無くなり、まさに治療の選択肢が無くなる不安についての多くのお話を聞きました。そのような中で、同じがん患者の方から、がんゲノム医療のことを伺いました。遺伝子パネル検査を受けて、そのがん患者にふさわしい治療を探すことにつながることを知りました。まさに希望の光です。市内には国が指定する「がんゲノム医療拠点病院」が1か所、「がんゲノム医療連携病院」が8か所あります。しかしながら、がんゲノム医療そのものや、どの病院でがんゲノム医療が受けられるかについては、患者さんやご家族には知られていないのではないでしょうか。現在は、誰もが受けられる医療ではありませんが、検査や治療が受けられる可能性があることについて、医師から教えられるのを待つだけでなく、患者さんやご家族が正しい情報を得て、検査の希望や選択ができるようになることが重要です。がんゲノム医療を推進することで、早期に新たな治療が地域の医療機関で受けられるようになることが望まれます。
そこで
⑤ がんゲノム医療について広く市民の皆様に周知し、がんゲノム医療を充実させて、本市でも新たな治療が出来るように取組を進めるべきと考えますが市長の見解を伺います。
《市長答弁⑤》必要な方に新たな治療をお届けできるよう、がんゲノムを実施している医療機関に関する情報や、遺伝子パネル検査についての詳細な情報など、市民の皆様に周知を行ってまいります。また、市内のがんゲノム医療を充実し、新たな治療を受けられるよう、医療機関での研究や連携を一層深めてまいります。
是非市長、新たなゲノムの治療が本市で受けられるように、市長が先頭に立って、新たな取り組みを進めて頂きまして、本市からがんゲノム医療の拡充と更なる発展につながることを強く要望させて頂きます。
次に早期な段階での緩和ケア提供拡大について伺って参ります。妻の看護で経験して私もはじめてわかりましたが、日本のがん緩和ケアが、ここにきて大きな転換点を迎えていると感じております。これまで進められてきた「診断時からの緩和ケア」ですが、医療現場での見解が様々であったことから、国で検討が進められています。医療現場で進まなかった緩和ケア、課題は 「治す」と「癒す」の両立であると考えております。がん患者にはさまざまな症状があらわれますが、一番辛いのは身体の痛みです。抗がん剤だけでなく、なるべく早い段階から緩和ケアを上乗せすることによって、うつ症状を緩和します。緩和ケアの併用は、辛い痛みを取るだけでなく、生存期間にも影響するというデータがあります。「治す」と「癒す」の両方を同時に進めることが、実は長生きにも繋がると思います。
そこで
⑥ がんと診断された早期に緩和ケアが本市で受けられるよう、取組が必要と考えておりますが市長の見解を伺います。
《市長答弁⑥》がんと診断された時の、患者さんや御家族の心理的・社会的な苦痛については、がんに関する相談窓口などの周知を行い、治療を開始する前から適切な相談や支援につなげられるよう、引き続き取組を進めてまいります。身体的な痛みについては、主治医と麻酔科医などが連携し、早期にペインコントロールを開始する取組を進め、また、在宅医療においても痛みを緩和する対応を強化できるよう、新たな取組を検討してまいります。
妻の入院先として緩和ケア病棟を希望しましたし、同じ膵臓がんで相談を受けた男性の方も、希望する病院では、利用できず、不安がありました。緩和ケアは、緩和ケア病棟以外の入院や外来、在宅医療でも提供されているそうですが、あまり知られていません。是非市長「がん患者の家族が自分達には何ができるか」不安な日々を送るのではなく「がん患者にとって何が必要か」を考えながら早期に緩和ケアを行うことが重要であり、そのために集学的治療を広めて、早期な段階での緩和ケアが受らけれるようにして頂けることを強く要望します。
次に在宅医療の体制強化と支援や援助の充実について伺って参ります。高齢化の進行に加え、国が進める地域医療構想における病床の機能分化や連携の推進により在宅医療の需要はますます増えていくことが予想されています。
クリニックの機能が家庭医機能にあるのであれば、その一翼を担う在宅医療を手厚くするためには、「365日24時間対応」はもちろん、「専門外の医療行為や疾患に対する対応」、「緊急時の医療連携」は必要不可欠です。
また、在宅医療を継続する上での課題には「訪問診療する時間が確保できない」や「医師や医療・介護スタッフ不足」等も課題があることのご意見を伺いました。一方妻と同じ在宅医療を受ける患者・家族からは、「移動の介助や夜中の排泄介助が大変」などの患者様への生活援助・介護上の手間や、契約手続や制度の分かりにくさ、「今後の病状が心配」「夜中や急変時が不安」など、在宅医療・介護を受けながら生活することへの不安を抱えている意見も聞きます。
そこで
⑦ 安心して在宅医療が受けられるように本市としても体制を強化し、かつ医療従事者や患者側の両方に横浜市独自の支援が必要と考えておりますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁⑦》横浜市医師会と連携して、在宅医療に取り組む医師の養成を進めるほか、患者急変時、主治医が不在の場合に副主治医が代わりに往診する取組を進め、医師の負担軽減を図っています。また、18区に設置した在宅医療連携拠点において、患者や御家族の不安な気持ちに寄り添う丁寧な相談支援を行っていますが、加えて、より困難な事例にも対応できるよう相談員のスキルアップに努めてまいります。
また医療従事者だけでは在宅医療を支えるにも限界があり場合があります。
現状では、一部のケースを除いて、在宅医療もしくは在宅介護は献身的な家族による介護力に支えられていると思います。いわば在宅での介護保険サービスは、あくまでも家族介護が前提となっており、それらを補完する機能に過ぎないケースもありました。
そこで
⑧ 在宅医療と介護の情報連携強化により、切れ目のない在宅医療と介護が一体的に提供されるように、横浜市として更に取組を進める必要があると考えておりますが、市長の思いを伺います。
《市長答弁⑧》在宅医療連携拠点において、多くの職種による合同研修会や事例検討会などを実施することで、互いの専門性の理解と協力関係の構築を進めています。また、医療・介護関係者等による検討会において作成した、退院後の在宅生活への準備のための「入院・退院サポートマップ」等の普及を更に進め、現場を担う医療・介護関係者がスムーズに情報共有できる体制を作ります。
医療・介護従事者と患者両方の支援や援助などの充実も図って、切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築推進できるように取り組んで欲しと考えております。是非市長一緒に変えて行きたいと考えておりますので、本件も強く要望させて頂きます。
4.子育て支援の充実
次に子育て支援の充実について伺って参ります。私自身、48 歳で孫が7人いると言うこともあり、多くの子育て世帯から妊娠から出産、育児に至るまで多くの苦労があるというご意見をたくさんいただきます。また、特に様々な苦労のなかでも、出産にかかる費用負担については、大きな負担になっていると聞いています。出産費用の負担を重く感じることにより、出産をためらうような事態にならないようにしなくてはなりません。妊娠や出産、子育てにかかる経済的負担を軽減し、子どもを望む方が安心して産み育てられるようにしていくことが大切です。
そこで、
⑨ 出産費用の無償化に向けた現状の取組状況と今後の方向性について、市長に伺います。
《市長答弁⑨》昨年度より出産育児一時金の増額を国に要望してまいりました。現在、国におきまして出産育児一時金の増額に向けた動きもあるため、国の動向を注視した上で、本市の出産費用の実態を把握することが必要であると考えております。中期計画素案におきまして、妊娠・出産・子育てにかかる経済的負担の軽減を施策目標に設定しており、子育てしやすいまちの実現に向けて取り組んでまいります。
また子育て支援としては、女性の就労率も上昇しており、子どもたちの預け先の確保が大切です。私のところにも、「保育所に子どもを預けることができなかったために、働くことができなかった」という声が寄せられています。令和4年4月の保育所等の利用申請者数は73,538人であり、待機児童数が11人、保留児童数は2,937人でした。私の感覚では、2,937人は依然として大きな数字です。子育て世代が安心して横浜に住み続けるためには、受入枠の拡充が不可欠です
そこで、
⑩ 全体の保育供給量を増やすだけでは待機児童と保留児童の問題は改善せず、定員割れ園と人気が高い園の調整や保育士の処遇改善を横浜市独自でさらに行うべきと考えますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁⑩》各区の保育・教育コンシェルジュが、個々の保護者のニーズを丁寧に聴き取りながら、入所可能な園を紹介するなど、預け先のマッチングを行っております。また、保育士の処遇改善については、現在も本市独自の処遇改善や宿舎の借上げ支援などを行っておりますので、今後も引き続き国にも強く要望をしてまいります。
次に認可外保育園の支援強化について伺って参ります。
本市には認可外保育施設が約370施設あり、預け先の確保の点でも、本市の保育施策に大きく貢献しています。しかし、認可保育所と異なり、認可外保育施設に対しては運営費の助成がないため、経営状況が非常に厳しいと聞いています。これまで、認可外保育施設の中には新型コロナ感染防止のため、利用者に登園自粛を要請し、利用料を返還した施設もあったようですが、運営費の補助がなく、経営が更に大変になっているという声も上がっています。
そのような中、こどもの成長に積極的に関わりながら日々運営している認可外保育施設に対しても、横浜市として何らかの支援が必要なのではないでしょうか。
そこで、
⑪ 認可外保育施設に対して横浜市独自の基準を設け、助成を行うべきと考えますが市長の見解を伺います。
《市長答弁⑪》これまでも入所児童の健康診断費用やブレスチェックセンサー導入経費の補助等を行ってまいりました。また、今回の補正予算案で計上した物価高騰対策支援事業では、食材費や光熱水費に対する助成を行う予定です。本市独自で更なる運営費の助成を行うことは容易ではありませんが、認可外保育施設は多様な保育ニーズに対応していただいており、保育の質の向上や安定的な運営のため、認可保育施設への移行を引き続き支援してまいりたいと思います。
子育て中の皆さんが働きやすい保育環境を整えていくことは、市長就任以来重要政策として取り組んできたものですので、認可・無認可問わずに支援の仕組みなども検討頂きますよう要望させて頂きます。
次に放課後児童健全育成事業における指導員の助成強化について伺います。指導員の皆さまもこのような大変な中日々子どもに対する支援をおこなっていただいており、指導員のなり手が少ないという状況を地域でお聞きしています。質の向上を目指すうえでも、指導員の皆様への支援をさらに手厚くする必要があると考えております。指導員へのサポートとして、「子供に向き合うことに注力するためのサポート」や「キャリアアップを考えるための研修の充実」なども必要と考えられるが、私としては、賃金が低いことが、なり手が少ない一番の要因だと考えております。
そこで、
⑫ 放課後児童健全育成事業における指導員のなり手確保のため、横浜市独自の助成を行うべきと考えますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁⑫》今後、質の更なる向上を目指す上でも指導員の確保・定着は特に重要であると考えております。そのため、今年2月から国費を活用しまして処遇改善を実施するとともに、今年度からは、運営費を拡充して、クラブ及び指導員の支援を充実しております。今後も国の制度を活用しながら、指導員の確保に積極的に取り組んでまいります。
働くお父さんやお母さんが安心して子どもを託せるように、放課後児童健全育成事業における指導員を確保し、かつ定着して頂けるように本市としてしっかりと助成を行って頂くことを要望します。
5.介護と医療の連携強化
次に介護と医療の連携強化について伺って参ります。私の義母は訪問ヘルパーやディサービスやショートステイの介護を受けながら生活をしておりました。認知機能の低下が進み、現在は介護老人保健施設に入所しております。私自身も体験して初めて分かりましたが、7月から8月にかけて、色々な書類の更新がございます。
1. 後期高齢者医療保険証(神奈川県後期高齢者医療広域連合)
2. 後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定書(神奈川県後期高齢者医療広域連合)
3. 介護保険者証(横浜市)
4. 介護保険負担割合証(横浜市)
5. 介護保険負担限度額認定証(横浜市)
書類を受け取り、更新をするのに手続きの書類が必要になり、金融機関に行ったり、区役所に足を運んだり、書類を送り返したり、更新書類を受け取らないといけない状況になります。
一人暮らしの方も居られるし、老老介護の方も居られるし、色々と手続きが煩雑に感じているというご意見も伺います。
そこで
⑬ 各保険証を一つにまとめて更新等の手続きが出来るように見直しを早期に検討して、新たな取り組みを本市としても行うべきと考えておりますが、市長の将来に渡っての思いも含めて見解を伺います。
《市長答弁⑬》保険証の一体化は、既にマイナンバーカードの健康保険証利用が全国的に始まっており、また令和5年度中には介護保険証としての利用開始も予定されるなど、マイナンバーカードへの一体化が順次行われています。各保険証の更新等に係る手続きも、国の動向を踏まえながら、オンライン化・ワンストップ化に向けた取組を進めて、市民の皆様の利便性の向上を目指していきます。
また、介護サービスを受ける為には多くの課題があります。サービスを受ける為には、様々な手続きをするのですが、揃える書類が多く、また足を運ぶところも多く、手続きがはんざつでスムーズに行かない不便さを感じました。また介護レベルの問題等で、サービス利用回数を増やしたくても増やせず、なかなか本人や家族の希望するサービスを受けることが出来ませんでした。医療で判定を受けることと、介護に定められているものとの違いが出てきて、実際の本人の症状や状態などが設定されている介護レベルに合わないと思いました。同じような問題で困っている方も多くいらっしゃるとの意見も伺っております。
私の介護での経験や地域の方々のご意見やご要望も頂いた中で、 各種手続きをもっとスムーズに進められるようにして行きたいと考えております。
そこで
⑭ 介護及び医療の情報連携により、双方の制度利用者の負担を軽減すべきと考えておりますが、市長の将来に渡っての思いも含めて見解を伺います。
《市長答弁⑭》介護と医療の情報連携を推進することで、利用者と関係者間のコミュニケーションが円滑に進み、例えば、認定調査や日々のサービス提供の場面で、利用者や御家族の負担の軽減につながるものと考えています。今後もICTを活用した地域医療介護連携ネットワーク等の活用を推進して、利用者に寄り添ったサービスの提供や、サービス全体の質の向上を目指していかなければならないと考えています。
住み慣れた地域で一生涯安心して住み続けられるように、医療と介護の連携強化を進めていただくことを強く要望します。
6.地域交通の新たな取組
次に地域交通の新たな取り組みについて伺って参ります。私の地元の都筑区の方から、市営バスの73系統や318系統が、以前より便数が減り不便になったとの声を受けています。確かに、コロナ渦による外出抑制やリモートワークの実施によって利用者が減り、路線を維持していくことは難しいということは地域も認識しています。一方で、高齢者の免許返納など、移動に関する課題は増えており、高齢者をはじめとした方々は、買い物や病院に行くのも大変だとの声が上がっています。このような課題は、都筑区に限らず全市的な問題です。まさに、これまでのやり方だけでなく、新たなやり方も取り入れながら、早急に総合的な移動サービスを確保していくことが必要です。
そこで、
⑮ 地域の総合的な移動サービスについて、新たな取組が必要と考えますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁⑮》今回お示しした中期計画素案におきまして、新たな移動サービスについては、計画期間内に市域への展開を目指すことといたしました。そのため、今年度は、10月以降、デマンド型交通、タクシーの相乗り、バスの小型化などの実証実験を市内5か所でまず開始するなど、今後もスピード感を持って取り組んでまいります。
将来に渡って移動手段を確保していくために、待ったなしの課題として関係局が一体となり取り組んで行くことを強く要望します。
7.デジタル社会の早期実現
次にデジタル社会の早期実現について伺って参ります。
新型コロナウイルス感染症への対応など、医療や介護の現場における負担感は非常に大きなものになっていると感じています。そうした諸問題を解決する手段として、デジタル技術の活用が重要ではないでしょうか。例えばオンライン診療や電子カルテの導入、医療や介護分野におけるデータ連携など、デジタルを活用した様々な取組が考えられます。このような取組を実現するためには、医療、介護など行政の各所管だけが取り組むのではなく、横浜市として全庁的にデジタル活用を考え、積極的に取り組みを進めていく必要があります。一方で、所管局だけでは、より効果的なデジタルの実装に向けた設計をしていくことは難しさもあり、専門的な視点から統括本部の積極的な関与は重要と考えます。統括本部が出来て1年足らず、DX戦略がまとまったことは、統括本部がまさに統括機能を発揮した成果であると感じています。統括本部の体制にも限界はあると思いますが、必要な強化を行うことを前提に、他局の取組を積極的にリードしてもらいたいと考えます。
そこで、
⑯ デジタル統括本部が司令塔となって、各局のデジタル化の取組を加速させるべきと考えておりますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁⑯》この4月に、統括本部の体制を刷新、強化した上で、今月には本市のDXが目指すビジョンや取組の方向性を示す「横浜DX戦略」を策定します。
デジタル統括本部が、DX戦略に基づき、専門的あるいは技術的な視点も含めた、各局への伴走支援を行っていくほか、先進的な取組への予算面での支援などにより、各局の意欲的な取組を引き出して、デジタル化をリードしてまいります。
デジタル統括本部には各局の連携を引き出す本来のリーダーシップを発揮することで、DXを加速し横浜のデジタル社会の早期実現に繋げて行くことを要望します。
次に、デジタルプラットフォームについて伺います。
山中市長は選挙時の公約において、「デジタル技術の活用と現場を重視した市民の声を直接聞く仕組みの創設」を掲げており、その実現として、デジタルプラットフォーム「横浜市アイデアボックス」の実証実験を行ったと聞いています。デジタルプラットフォームは、2020年10月に兵庫県加古川市で、プラットフォームの1つである「Decidim(デシディム)」が初導入され、本市やデジタル庁などでも使用された「アイデアボックス」など、いくつか種類はあり、活用する自治体は今後ますます多くなると思います。
そこで、
⑰ デジタルプラットフォームを、市民の声を聴く手段として、積極的に活用していくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
《市長答弁⑰》就任当初から、デジタルプラットフォームに、広聴ツールとしての可能性を感じておりました。今年度に実施した実証実験では、多くの市民の方が気軽に意見を投稿し、議論を交わし合う様子が見られるなど、デジタル技術を活用した新たな手法としての手ごたえを得ました。運用上の課題も発見されましたが、今後の本格導入に向けて、引き続き検証を進めていきたいと考えております。
市民の声を聴くということは、市政にとってまず第一歩といえるものです。積極的に活用することを要望します。
8.中学校給食
次に中学校給食について伺います。
今回示された次期中期計画素案において、「令和8年度から中学校給食の利用を原則とし、デリバリー方式よりすべての生徒に満足してもらえる給食の提供に向けた体制を確保する」という方針が示されました。私自身を含め、立憲民主党横浜市会議員団としても、全員喫食の中学校給食の実現を強く求めて参りましたが、今回、横浜市として初めて、中学校給食の利用を原則とする方向性を打ち出したことは、山中市長の強いリーダーシップのもと、就任からの1年間、専任体制を中心に精力的に検討を進めてきた結果だと思います。
そこで、
⑱ 選択制から中学校給食の利用を「原則」とする方針を打ち出したことに対する市長の思いについて伺います。
≪市長答弁⑱≫学校給食法の趣旨を踏まえながら、供給体制を確保した上で成長期の生徒に栄養バランスのとれた給食を提供することは市の責務であるという思いで、専任体制を設置して、全庁を挙げて検討を進めてまいりました。市会におきましても、長きにわたり中学校給食に関する議論を重ねてこられた中で、その上で、今回、全生徒・教職員分の供給体制を確保できる見通しを立てることができました。
生徒にとっては、時には苦手な食材が入っていることも有るかもしれませんが、必要な栄養素をしっかり摂取してもらうためにも、将来の可能性を広げるためにも、食べ慣れない献立にチャレンジしてもらうことも必要だと思います。
そこで、
⑲ 選択制から原則中学校給食の利用に変更するにあたり、食育を一層推進すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
《教育長答弁⑲》食育は、将来にわたる健康と豊かな食生活を送る上で大変重要なものです。今回のアンケートでは、栄養への関心が高いと給食への満足度も高まる傾向があることも分かりました。給食の利用が原則となり、これまで以上に様々な機会を通じて食に関する指導ができるよう、学習教材の作成や教職員研修の充実など、食育の推進を行ってまいります。
特に、今回のアンケート調査では、現在のデリバリー型給食に関する現状分析が進み、今後取り組むべき課題も明らかになったと伺いました。現在の喫食率は約30%とのことですが、今後、の中学校給食の利用が原則となることを踏まえると、できるかぎりの改善に取り組む必要があると思います。是非、生徒や保護者のニーズをしっかりと受け止め、「すべての生徒が満足できる中学校給食の実現」に向けて対応策を検討していただきたいと思います。
そこで、
⑳ 今後の中学校給食の方向性の実現に向けた決意について、市長に伺います。
≪市長答弁⑳≫全生徒・教職員分の供給体制を必ず確保し、全ての生徒が満足できる中学校給食を実現するために、内容面を充実させ「新しい横浜の中学校給食」を実現するという意気込みで、全庁を挙げて取り組んでまいります。
中学校給食に関しては、市会でも様々な意見がある中で、今回1つの方向性を示したという事は、山中市長も相当の覚悟を持って決断されたことと推察します。新しい中学校給食の実現に向けて、山中市長のリーダーシップのもと、全庁を挙げて取り組んでいただくことを要望致します。
9.中期計画における施策の推進と財政の健全性の維持の両立
最後に、中期計画における施策の推進と財政の健全性の維持の両立について、伺います。だれもが安心して暮らせる社会の実現に向けて、我々立憲民主党は、山中市長が力を注ぐ、「子育て」をはじめとした施策の実現に、ともに取り組んでいく決意です。一方、中期計画期間中の財政見通しによると、4か年で1,000億円もの収支不足が見込まれており、この収支不足に対しては、歳出改革を進めていくことで対応していくとの記述があります。
厳しい財政状況にあっても、未来を見据えて後ろ向きにならずに、創意工夫をはかりながら、中期計画で掲げる施策を力強く進めていく必要があります。
そこで、
㉑中期計画において「施策の推進と財政の健全性の維持の両立」にどのように取り組んでいくのか、市長に伺います。
《市長答弁㉑》財政ビジョンを踏まえ中期計画では、施策の方向性と達成状況を測る指標を示し、毎年の予算編成では、データを活用した議論を行い、施策指標の達成に資する、より効果的な事業へ財源をシフトしていきます。併せて、職員一人ひとりが歳出改革を自分ごとと捉え、創造と転換を念頭に事業の新陳代謝を進めることで、施策の推進並びに財政の健全性を両立させていきます。
市民の皆様に、安心して暮らせる社会になったと感じて頂けるように、明るい未来が来ることを期待して、質問を終わります。
ありがとうございました。
質問後に傍聴に来て下さいました皆様と本会議場等で意見交換などさせて頂きました。多くの方からご意見やご要望を賜れるように引き続き努めて参ります。