Loading...

Report活動報告

温暖化対策本部・環境創造局の予算特別委員会審査

Ⅰ.質問項目
1.水素エネルギー社会の早期普及と促進強化
1)燃料電池自動車導入や水素ステーションの設置の補助に関する取組
2)燃料電池自動車と水素ステーションの補助金額についての妥当性
3)水素ステーションの普及の目標と進め方
4)燃料電池バスやトラックを含めた車の導入の補助を行うことが必要性の確認
5)循環型社会構築に貢献できる取組を横浜でも実施すべき見解の確認

 

2.CO2削減に向けた再エネ施策の実現
1)今後の再生可能エネルギーの導入
2)再生可能エネルギーへの拡大の取り組みには、グランドデザイン

 

3.ブルーカーボン事業の活動強化
1)CO2削減という視点を踏まえた横浜ブルーカーボン事業の具体的な活動内容
2)豊かな海づくりにおける環境創造局の取組

 

4.ライトダウンやクールチョイスによる取組強化
1)ライトダウンに関するこれまでの取組
2)クールチョイスに関するこれまでの取組
3)省エネを推進するための動機付けの手法

 

5.ヨコハマSDGsデザインセンターが取り組むバイオ燃料地産地消プロジェクトの拡大
1)プロジェクトの概要とこれまでの取組実績
2)プロジェクトの今後の展開

 

6.外来種への対策強化
1)アライグマ、タイワンリスの捕獲対策
2)アライグマ、タイワンリスの捕獲数の推移

7.農業と下水道の連携によるスマート農業の推進
1)スマート農業の内容
2)農業と下水道が連携したスマート農業の推進の内容
3)令和2年度の取り組みにあたっての考え方

Ⅱ.質問内容
立憲・国民フォーラムの都筑区選出のふじい芳明です。
新型ウィルス感染拡大予防のためマスクを着用しての質問になりますがご容赦願います。
今回初めて当局の質問をさせて頂くことになり、予算資料を拝見させていただきました。大変幅広い分野の環境行政の要の部分を担って頂き、未来を担う子どもたちや孫たちに安全と安心な生活環境を次世代に伝える業務をされていることに改めて感謝を申し上げます。

 

1.水素エネルギーの早期普及と促進強化
最初に水素エネルギー社会の早期普及と促進強化について伺います。

地球温暖化等に起因する異常気象によるものなのか、近年自然災害での被害が大きくなっております。台風15号と19号での被害は横浜市でも想像を超えるものでした。私たちは未来を担う子供や孫達により良い環境を残して行かなければなりません。今既存の石炭や石油や天然ガスの化石燃料の枯渇やエネルギー問題、地球温暖化など、人類の未来にはいくつもの課題が山積している状況です。
その問題解決に期待されているサスティナブルなエネルギーの一つが水素エネルギーと考えております。

私が小学生の時、理科の授業で水の電気分解の実験を行いました。水がどんどんとなくなり水素と酸素に分解される様子を見てただただ驚いていました。その時、担任の先生が、「今、車はガソリンで走る時代だが、将来はガソリンではなく水を燃料に車が走る時代が来る。水から水素がつくられそれをエネルギーにして車が走れば、排気ガスはなくなる」と仰っていました。これが実現すれば、環境問題は解決するのではないかと、子供心に期待をしていました。
そんな水素ですが、
私は水素エネルギー社会の早期実現には大きく3つのメリットがあると考えております。
1つ目がクリーン 2つ目がサスティナブル 3つ目がユーティリティです。
① 1番目のクリーンは、燃焼しても水となりCO2が全くでないクリーンなエネルギーです。
② 2番目のサスティナブルは、地球上に水や化合物として無尽蔵に存在し、水を電気分解し水素に変えることが出来ます。
③ 3番目のユーティリティは、エネルギー効率が高く、液化したら800倍にして運ぶことができ、ロケットを打ち上げ可能な大きなエネルギーがあり、貯蔵が難しい電力課題を解決するエネルギー媒体であります。

そのような水素だからこそ、水素エネルギー社会が早期に実現すれば、パリ協定で定められた温室ガスの削減目標(2030年までに13年比マイナス26%減)も達成可能であると考えております。
そんな中で2019年9月25日に開催されました英国やオーストラリアなどの約10カ国の閣僚が参加し、事務方を含めて米国や欧州勢など30以上の国や地域が集まった水素エネルギー閣僚会議では、燃料電池を使った車両を今後10年間で1千万台に増やす目標を提案して参加各国が同意を致しました。また燃料を供給する水素ステーションを現状の数百か所から1万ケ所にすることも目標になりました。
私が住んでいる都筑区内でも、燃料電池自動車を増やしたり新たに燃料電池バス及びトラックが運行出来るようにする為にも、新規の定置式の水素ステーションや大規模地震に備えて区内で地産地消が出来る水素発電設備などの、水素エネルギーの関連施設の建設に取り組みたいと考えております。

そこで
質問①
本市における燃料電池自動車導入や水素ステーションの設置の補助に関する取り組みについて伺います。

答弁①環境保全部長答弁
燃料電池自動車の補助については、車両購入費の一部を補助しています。水素ステーションの補助については、貯蔵・充填設備を常設する固定式ステーションの整備費の一部を補助しています。これらの取組は、平成27年度から継続して行っています。

 

質問②
補助以外の取組について伺います。

答弁②環境保全部長答弁
補助以外の燃料電池自動車普及の取組といたしまして、平成26年度より、公用車への燃料電池自動車の導入を率先して進め、現時点で16台が導入されています。また、導入いたしました燃料電池自動車を活用して、スプリングフェアなど、市内で行われるイベントの機会をとらえまして、燃料電池自動車の展示に加え、車両からイベントへの電源供給を行うなど、導入促進に向けてPR活動を行っています。

 

燃料電池自動車の普及は伸び悩んでおり、2018年の時点で国内の保有台数は3009台と、ハイブリッド車の約950万台と比較すればその差は歴然で、経済産業省が掲げた普及目標「2020年までに4万台、2025年までに20万台、2030年までに80万台程度」には、遠く及ばない現状です。
その原因の一つとして「インフラ整備の遅れ」が考えられ、全国に約14000件あるガソリンスタンド、電気自動車の充電スポットは約20000か所に対して、水素ステーションは2019年12月時点で112件、横浜市内でも6ケ所しかありません。横浜市は令和2年度予算案で、水素ステーションの設置に対する補助金を計上していますが、多額の建設費用が掛かるステーションに十分な金額であるか疑問があります。

 

質問③
燃料電池自動車と水素ステーションの補助金額についての妥当性について伺います。

 

答弁③局長答弁
燃料電池自動車については、本市補助金25万円に加え、国202万円、神奈川県70万円の補助金を活用することで、同クラスのガソリン車の価格程度で購入できる設定としております。固定式ステーションについても同様に、本市4,000万円、神奈川県3,500万円、国1億5,500万円の補助金の併用により、一般的なガソリンスタンドの整備費と同程度の事業者負担になる設定としています。これらの補助金により、従来の車の購入やガソリンスタンドの整備費用と同程度となり、今後の普及に向けては妥当な額と考えています。

 

燃料電池1台と水素ステーション1件あたりの設置に対する補助金額は理解しました。しかし、予算案の想定件数が固定式1か所、移動式1か所では少なく感じますし、早期の普及に向けて具体的なビジョンを持って取り組んでいく必要があると考えます。

 

質問④

水素ステーションの普及の目標と進め方について伺います。

 

答弁④副本部長答弁
横浜市地球温暖化対策実行計画で、水素ステーション整備数を2020年度に10か所と定めております。現在、市内には120台程度の燃料電池自動車が普及しております。水素ステーションは6か所ですので、ステーション1か所あたりの普及台数は20台となりまして、更なる燃料電池自動車の普及が期待されます。
今後も、水素ステーションと燃料電池自動車の取組を両輪で進め、ステーションの整備数や配置エリアを検討してまいります。

 

質問⑤

水素ステーション1か所あたりの普及台数20台は、十分と思うか。

 

答弁⑤副本部長答弁
ステーション1か所あたりの普及台数20台は、足りていないと認識しています。更なる燃料電池自動車の普及が当然必要だと考えております。今後も、ステーションと燃料電池自動車の取組を両輪で進め、それぞれのバランスを取るように整備数・配置エリアを検討してまいります。

 

環境負荷が少ない車としては、電気自動車(EV)もありますが、重い物を長距離運ぶのには適さなく、電池の重さで積載量が犠牲になるからだという意見もあり、そこで燃料電池バスやトラックの普及にも力を注ぐべきと考えます。鶏と卵の話にもなりますし、量が増えればコストも下がるとの原則が当てはまり定着すると考えております。東京都では五輪を機に燃料電池バスを100台使う計画がございます。

そこで
質問⑥

本市も燃料電池バスやトラックを含めた車の導入の補助を行うことが必要と思いますが見解を伺います。

答弁⑥副本部長答弁
昨年10月、横浜市営バスが燃料電池バス1台を導入いたしました。路線バスへの導入は、多くの市民の皆様が水素社会を体感できる点からも大変意義がございます。 燃料電池バスやトラックは、大きな水素需要を見込めるポテンシャルを有しておりまして、水素ステーションの稼働率向上の面からも、これらの車両の普及は重要と考えております。燃料電池バスやトラックの普及を目指し、水素ステーションの整備と並行して、導入の補助を検討してまいります。

 

水素エネルギー社会の早期実現に向け、更なる施策を推進する必要もあると思います。例えば、川崎市は使用済みプラスチックで製造した水素の低炭素化と本格的利活用の実証をされており、低炭素水素を、燃料電池に充填する水素ステーションに供給したり、ホテルにパイプラインを通じて水素を輸送し純水素型燃料電池に供給しホテルの電力やエネルギーの30%を水素による発電でまかなっております。

そこで
質問⑦

このような循環型社会構築に貢献できる取組を横浜でも実施すべきと考えますが見解を伺います。

 

答弁⑦統括本部長答弁
水素は、多様な資源から生成することが可能であり、再生可能エネルギーやバイオガス、また工業プロセスの副産物など、未利用となっている地域資源から水素を製造し、使用する実証が全国各地で行われております。 横浜市内においても、臨海部に立地している産業の特性や地域の未利用資源を活用した水素サプライチェーン構築などの検討を通して、循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 

水素の利活用は、本市が目指すゼロカーボンヨコハマの達成に向けて非常に重要な取り組みであり、より一層の推進を要望し、次の質問に移ります。

 

2.CO2削減に向けた再エネ施策の実現
次にCO2削減に向けた再エネ政策の実現について伺います。再生可能エネルギーのメリットとしては、環境にやさしいのはもちろんのこと、その多種多様な手法により場所に合わせた発電が出来るということもあります。今までは、水力発電にしても、火力発電にしても、原子力発電にしても、巨大な発電所を一か所作り膨大な電力を補う形でしたが、再生可能エネルギーによる発電はそうではありません。例えば、温泉地帯では、地熱、潮の満ち引きを利用した潮汐(ちょうせき)、その他、太陽光や風力などがあり、適材適所での設置が可能なのです。これは、ただ単に大型施設がいらないだけなく、2011年の時のような電力供給不足や北海道胆振東部地震の時のようなブラックアウトを防ぐことが出来ます。その中でも特に、太陽光は、自宅の屋根や耕作(こうさく)放棄地、使用の難しかった山の傾斜などに色々な場所に設置されその利用は進んでいます。特に、個人宅での太陽光は、余った電気を固定価格で買い取るFITという制度の導入により、普及は制度導入前の3.2倍まで増えましたが、2019年11月から買い取り見直しがありました。自宅の屋根に載っている太陽光発電は、全国に53万件以上あると言います。また毎年20~34万件が順次満了となります。23年度までに約165万件、約670万kWの設備がFITから外れます。エネルギー政策は、インフラも関わるところですので、行政のかじ取りは非常に重要になります。

 

そこで、
質問⑧

今後の再生可能エネルギーの導入について伺います。

 

答弁⑧統括本部長
様々な再生可能エネルギーがある中で、横浜のような都市部で導入を進める場合は、太陽光発電が中心になると考えております。近年、屋根貸しによる初期投資0円モデルや共同購入などの、初期投資を抑制する様々な手法が民間事業者により展開されており、行政としてもこれらをうまく活用することで、公民連携で市域の再エネ導入の拡大を図りたいと考えております。また、市内の導入ポテンシャルには限りがございますので、東北12市町村との広域連携の取組により、市外からの再エネ調達を積極的に進めてまいります。

 

 現在、横浜市では、公共施設における太陽光発電や、風力発電、いわゆるハマウィング、ごみ焼却時の熱を利用した発電など、様々な取組をおこなっています。しかし、ゼロカーボンを掲げ、再生可能エネルギーの大幅拡大を目指すためには、再エネの創出から利活用まで、2050年までのイメージをはっきりさせることが重要であると考えます。

そこで、
質問⑨

再生可能エネルギーへの拡大の取組には、グランドデザインが必要と考えるが、見解を伺います。

 

答弁⑨統括本部長
現在、再生可能エネルギー活用戦略の策定に向けた作業を、庁内関係局と連携しながら進めております。内容としましては、2050年の市内のエネルギー消費量を2013年度と比べ約50%削減と試算したうえで、2050年のゼロカーボン実現のために必要となる再エネの量について試算を行っております。同戦略では、こうした2050年の姿も見据えながら、再エネ拡大のため当面取り組む施策として、地産地消に向けた市内での再エネ導入促進や、広域連携による市外からの再エネ導入拡大などを盛り込んでまいります。

 

質問⑩

先程の答弁内にありました地産地消はどういったものを検討しているのか

答弁⑩統括本部長
太陽光発電が中心になってくると思います。初期投資を抑えるによる様々なビジネスモデルが出てきていることからも、公民連携で太陽光発電の導入を拡大していきたいと考えております。

 

再生可能エネルギーの拡大は、ゼロカーボンヨコハマを達成する上で必要不可欠でもあり、エネルギーの地産地消という観点での取組促進を強く要望し、次の質問に移ります。

 

3.ブルーカーボン事業の活動強化
次に、ブルーカーボン事業の活動強化について伺います。CO2削減の取り組みとして、広く知られているものとしては都市の緑化があります。これは、街に植物を植えて緑を増やすことで、植物の光合成を利用しCO2削減を目指すものです。実は、この活動は海でも実施できるものなのです。海にも、海藻など植物は生えており、これらの植物も陸上植物同様に光合成を行います。これらの海藻などを維持し、増やしていくこと、つまり海の緑化を進めることも温暖化対策、CO2削減につながるものなのです。地球の面積の7割が海ということを考えれば、今後、陸地の緑化ともに、海の緑化、保全も取り組むべき課題です。我が国は四方を海に囲われた海洋国家であり、その中でも我が横浜市も広大な港を抱える街であることを考えれば、特にその重要性は高いものであります。 本市では、海洋資源を活用した温暖化対策「横浜ブルーカーボン」事業に取り組んでいます。

そこで、
質問⑪

CO2削減という視点を踏まえた横浜ブルーカーボン事業の具体的な活動内容について伺います。

 

弁⑪副本部長

横浜ブルーカーボン事業では、子供たちが植付けたワカメを収穫する体験型イベントなどでブルーカーボンによる温暖化対策を普及啓発しております。
 また、海草のCO2吸収効果やLNGタグボート導入等によるCO2削減効果をクレジットとして認証いたしまして、これを企業等に売却して得られる資金でその活動団体などを支援する仕組みも構築しております。

 

「横浜ブルーカーボン」事業は、クレジット認証などどちらかといえば、行政のシステマチックな取り組みが多いですが、福岡市ではアマモ場(ば)を作ったり、民間会社は鉄鋼スラグを藻場の再生拡大に利用するなど、直接的な取り組みを実施しています。本市の中期4か年計画では、海の生き物の生息環境の改善や水質浄化のため多様な主体と連携した「豊かな海づくり」において、環境創造局と港湾局が取り組むとしております。また、令和2年度環境創造局予算概要においても関係局や民間企業と連携し、海の環境改善につながる取り組みの検討を進めるとあります。

そこで、
質問⑫

豊かな海づくりにおける環境創造局の取組について伺います。

 

答弁⑫政策調整部長
山下公園前の海域では、平成25年から生き物による水質浄化に関する共同研究を民間事業者と連携して実施してきました。
その結果、共同研究でつくった浅場(あさば)において、ホヤなどの生き物による水質浄化が進み、アイナメが産卵するような環境に改善されていることが確認されました。この取組によって得られた知見や技術を、臨港パーク前面の海において、港湾局が実施する藻場(もば)・浅場(あさば)を形成する事業に活用していきます。

 

研究の成果が事業につながること、また、局間連携により事業が展開されることは大変すばらしいことであります。今後もブルーカーボンや豊かな海づくり事業を民間事業者や市民の方々などと連携を図り、取組を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

 

4.ライトダウンやクールチョイスによる取組

つぎにライトダウンやクールチョイスによる取組強化について伺って参ります。
1970年代のオイルショックを皮切りに資源のない日本では、省エネの取り組みが進められてきました。2011年の東日本大震災以降は、特にその取り組みが進められていきました。日本は、かつての省エネルックにはじまり、エコポイント、クールビズ、エコカー減税、夏季のエアコン設定28度などあらゆる方面から様々な省エネの取り組みを進めてきました。その取り組みの結果、日本国内のエネルギー消費量は2000年を最大に減少しています。しかし、内訳をみると減っているのは、工場などの産業部門であり、家庭のエネルギー消費量は減少の傾向がみられません。今後さらなる省エネの取り組みをするためには、家庭の省エネ化を進めるべきであります。特に横浜市は住宅からの二酸化炭素排出量が24%と全国平均の15.8%と比較しても高く、家庭の省エネ化は特に取り組むべき課題であると考えます。まず、省エネをすすめるためには、個人の意識づけと考えます。そうしたなかで、相模原市は積極的にライトダウンという取り組みを行っています。これは、野外照明などの明かりなどを消し、不要な電気消費を減らすもので、消灯運動とも言います。この取り組みを本市でも今まで以上に積極的に推進すべきと考えます。

そこで、

質問⑬

本市でのライトダウンに関するこれまでの取り組みについて伺います。

 

答弁⑬副本部長
本市ではこれまで環境省、飲食店チェーン、NGOなどと連携し、ライトダウンを行ってきました。今年も、今月ですが、3月28日にWWF、世界自然保護基金とともに、世界的なライトダウンキャンペーンでありますアースアワーの一環として、みなとみらい21地区を中心に市内の施設や、市民・企業の皆様に消灯にご協力をいただくこととしております。引き続き、ライトダウンを通\して、省エネの普及啓発を推進してまいります。

 

家庭の省エネ化を推奨する取り組みでクールチョイスというのがあります。これは、エコカーを買う、エコ住宅を建てる、エコ家電を取り付けるなど、市民の皆様がエコを『選択』することを推奨する取り組みで、約375万人の人口を抱える大都市である横浜市も積極的に取り組むべきと考えます。

そこで、
質問⑭

クールチョイスに関するこれまでの取り組みについてに伺います。

 

答弁⑭副本部長
これまで、国からの補助金も活用しつつ、区民まつりや横浜駅でのイベントなどで、関係局区や関係団体とも連携いたしまして、家庭部門における温暖化対策の普及啓発を行ってまいりました。また、今年新たに、気候危機の現状を学習し、様々なイベントを体験し、さらには自らの行動を変えていく実践型のヨコハマCOOL CHOICEチャレンジを実施するなど、着実にムーブメントを拡大しております。

 

現在、尼崎市が地球温暖化防止策を推進する市民の行動『クールチョイス』を対象に、独自の地域通貨ポイントを導入し、その取り組みを推進しています。たまったポイントは現金のように市内の提携店で利用できる仕組みで、お得感を呼び水にして環境対策と地域活性の一石二鳥を狙っております。例えば、電力需要がピークになる時間帯に外出し、加盟店で買い物やサービスを受ければ100円ごとに1ポイントがたまったり、5つ星の冷蔵庫を買えば3000ポイント、バス定期6ケ月を購入すれば3000ポイントや市が行う環境イベントへの参加の場合100ポイントなど行っております。エコを推奨しながら家計もお得になるというこのような取組は、市民の皆様の行動を促す手法として大変有効であると考えます。

そこで、
質問⑮

省エネを推進するための動機付けの手法について伺います。

 

答弁⑮統括本部長答弁
現在進めている横浜カーボンオフセットプロジェクトでは、大規模スポーツイベントを契機として活用し、家庭での省エネ等に取り組んでいただいた方へタオルなどをプレゼントしているほか、ナッジの手法も活用しつつ、取組への参加を呼びかけております。

 市民の皆様に具体的なアクションを起こしていただくためには、何らかのインセンティブも重要だと考えますので、さらなる取組促進に向け、引き続き様々な工夫を凝らした取組を進めてまいります。経済的インセンティブの活用も含め、様々な手法を通じて、家庭部門からの温室効果ガスの排出量削減により一層取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。

 

5.ヨコハマSDGsデザインセンターが取り組むバイオ燃料地産地消プロジェクトの拡大
次にヨコハマSDGsデザインセンターが取り組むバイオ燃料地産地消プロジェクトの拡大について伺います。本市は、昨年1月に、ヨコハマSDGsデザインセンターを立上げ、自らもステークホルダーとなり、企業等と連携した取組を進めていますが、その中からバイオ燃料地産地消プロジェクトについて伺います。

まず、
質問⑯

プロジェクトの概要とこれまでの取組実績について、伺います。

答弁⑯SDGs未来都市推進担当部長
地球環境問題等に積極的に取り組まれているユーグレナ社は、本市がSDGs未来都市に選定されたことをきっかけに、バイオ燃料の地産地消の実現に向けた取組を、ヨコハマSDGsデザインセンターと共同プロジェクトとしてスタートしております。 これまで、平成30年10月に鶴見区に設置した実証プラントで製造されたバイオ燃料の市内での普及・拡大に向けた取組を進めておりまして、昨年8月と10月の市内イベントでは、バイオ燃料を使用した市民・事業者の皆様に向けたプロモーションを実施しております。

 

SDGs(エスディージーズ)デザインセンターが、先進的な技術を持つ企業等と連携し、社会課題解決に取組んでいることがわかりました。
一方、バイオ燃料はトータルとしてCO2排出を抑えることができ、SDGsの17ゴールの中でも、ゴール7のクリーンエネルギー活用や、特に喫緊の課題であるゴール13の気候変動対策を進める上で非常に有効であり、Zero Carbon Yokohamaを掲げる本市として、今後もさらに取組を進めていく必要があると考えます。

そこで
質問⑰

プロジェクトの取組の今後の展開について、伺います。

 

答弁⑰SDGs未来都市推進担当部長
デザインセンターでは、ユーグレナ社や市内の集客施設等と連携しまして、バイオ燃料の原料の一部となります、廃食油の回収の拡大を進めるほか、廃食油の回収イベントの実施など、バイオ燃料の普及を進めてまいります。引き続き、こうしたプロジェクトを通じまして、限りある資源を有効活用まして、環境負荷を低減する循環型社会の実現など、SDGs達成に向けた取組を進めてまいります。

 

SDGs未来都市、そしてZero Carbon Yokohamaの実現に向けて、SDGsデザインセンターが、企業等と連携し、取組をますます拡大していくことを要望して、次の質問に移ります。

 

6.外来種への対策強化
次に「外来種の対策強化」について伺います。
外来種の問題は、日本の生態系の破壊のみに関わらず、人間の生活や生命に危険を及ぼす問題となっています。例えば農作物を荒らすアライグマ、刺されると激しい痛みやアナフィラキシーショックで死んでしまうヒアリなど横浜市内にも人間に実害を及ぼす外来種が入ってきてしまっている現状があります。特に横浜は貿易やクルージングなど世界から船の出入港が非常に多く、外来種が侵入する最前線とも言えます。ヒアリなどは侵入防止のための水際対策を実施しております。外来種は、一度入ってしまうとその駆除は非常に大変です。すでに横浜市内にも多数の外来種が生息してしまっている現状があります。特に、特定外来種に指定されているアライグマやタイワンリスは市内でも相当数生息しており、民家などで被害が出ています。本市では捕獲等(ほかくとう)の対策を実施していると聞いております。

そこで、
質問⑱

アライグマ・タイワンリスの捕獲対策はどのようなものか伺います。

 

答弁⑱公園緑地部長
市民の方のご自宅で被害がある場合につきましては、市が捕獲罠の設置と捕獲された動物の回収を専門業者に委託して実施しています。また、農作物被害の場合につきましては、市と農協との協定により、罠の貸し出しは農協が行い、捕獲された動物の回収は市が専門業者に委託して実施しています。
これらの事業に令和2年度予算として、1,189万円を計上しています。

 

次に、
質問⑲

アライグマ・タイワンリスの捕獲数の推移について伺います。

答弁⑲公園緑地部長
アライグマの捕獲数は、平成27年度に285頭でしたが、平成30年度は533頭になっています。タイワンリスの捕獲数は、平成27年度に191頭でございましたが、平成30年度は316頭となり、アライグマ、タイワンリスともに近年は増加傾向にございます。

 

質問⑳

捕獲数の目標はどうですか

答弁⑳公園緑地部長

公園緑地部捕獲数の目標は定められていない状況です。

 

これだけの数を捕獲しても減らすことができていません。ひとたび定着してしまった外来種の根絶はきわめて困難であるとわかります。市街地でできる対策は捕獲用のわなを仕掛けて地道に捕獲していく以外になさそうですが、県や周辺の自治体とも連携して一層の防除に努めていただくとともに、新たな外来種を生まないために水際対策にもしっかりと取り組んでいいただきたいと思います。

 

7.農業と下水道の連携によるスマート農業の推進
最後に「スマート農業」について伺います。現在、AI(人口知能)やICT(情報通信技術)、先端ロボット技術を産業や社会生活の場面で活用する様々な取組が進められており、国は経済発展と社会的課題の解決を両立していく超スマート社会を目指す将来像を掲げています。農業分野においても国はスマート農業の推進を掲げており、本市においてもスマート農業を推進するとしています。

そこで、
質問⑳

スマート農業の内容について、伺います。

 

答弁⑳農政担当部長
スマート農業とは、「ロボット技術やICTを活用して、農業者の高齢化や後継者不足などの課題を解決し、省力化や農産物の高品質生産等を実現する新たな農業」です。スマート農業技術の導入により、温度や湿度などの農畜産物を生産するための環境条件の安定化にもつながり、収穫量の増加などの効果も見込まれるなど、農業を取り巻く環境が抱えている課題を解決することが期待できます。

 

農業の担い手不足が問題視される中で、スマート農業が労働力不足の改善にもつながるということがわかりました。私の地元は農業が盛んな都筑区ですが、区内の農業者からスマート農業について関心はあるが、よくわからないので導入しづらいという声を耳にしました。予算概要では、農業と下水道の連携によるスマート農業の推進に取り組むことが記載されています。

そこで、
質問㉑

農業と下水道が連携したスマート農業の推進の内容について、伺います。

答弁㉑政策調整部長
北部第二水再生センター内の敷地において、新たな環境制御型モデルハウスを設置し、ICTなどの技術を使い、農産物の高品質化や収穫量の増加等に取り組みます。その取組にあたっては、下水道事業で発生する熱や二酸化炭素を活用し、スマート農業のノウハウを蓄積できるよう、栽培の実証実験を進めます。

 

行政内部でも他分野と連携し、双方の課題解決につながる取組を進めることは大変良いことですので、積極的に推進してほしいと考えます。
先ほどの答弁で下水道施設にスマート農業を推進するための環境制御型モデルハウスを設置するとのことですが、

そこで、
質問㉒

令和2年度の取組にあたっての考え方について伺います。

 

答弁㉒局長
環境制御型モデルハウスを行政が主体となって設置・管理することで、スマート農業に関する技術や知見を蓄積することができます。また、その施設を公開することで、農業者の方々にも技術等を広めることができます。このため、取組にあたっては、スマート農業に関するノウハウを持つ企業や大学の皆様とも積極的に連携し、より横浜に適したスマート農業の技術を構築していく必要があると考えています。令和2年度は、その仕組みづくりや施設の設計、連携する企業や大学などの選定などを進めていきます。

 

農家の身近な場所でスマート農業の技術を習得できる場が整備されれば、意欲や関心を持った農家の不安感を取り除くことができるのではと思います。
様々な分野や企業等との連携を進め、都市農業にふさわしいエネルギー循環型農業が進められることを期待し、都筑区選出のふじい芳明からの質問を終わります。本日はありがとうございました。