一般質問で横浜市議会に初登壇
立憲・国民フォーラムの都筑区選出の藤居芳明です。今回が本会議での初質問となりますので、皆様何卒宜しくお願い致します。それでは、会派を代表しまして市政の課題について伺って参ります。
1.がん対策
最初に、がん対策について質問致します。
現在、妻は膵臓がんの再発と肺への多発転移が見つかり化学療法を受けながら生活をしております。妻の看病で経験して初めてわかりましたが、がん検診と治療には多くの課題があります。
2016年10月に急性膵炎で入院することになり、治療をして頂き、2週間程度で退院できたのですが、原因がなかなかわからずCTやMRI検査を受けておりました。
2017年1月に大学病院の紹介を受けて、より精密な検査をするため入退院を繰り返しておりましたが、最終的に膵臓がんと診断されたのは、たまたま視聴していたテレビをきっかけにセカンドオピニオンを受診して診断され、結果的に急性膵炎完治から9ケ月後となりました。こんなにも医療技術が進歩しているのに診断の難しさを実感しました。その後摘出手術を受け、再発や転移を防ぐために抗がん剤6ケ月完了した後、3ケ月に一度定期検査を受けておりました。しかしながら、2018年12月に膵臓の再発と肺への転移が見つかり、抗がん剤治療を2019年1月から再開しており、現在12回目の抗がん剤治療を続けております。
がん対策では、経済的負担の軽減や療養生活におけるQOL向上の推進などにより、すべてのがん患者及びその家族の負担を軽減することが必要です。そのために、がんに関する医療技術の更なる発展を支援することが重要と考えます。
がん検診と新たな治療法等の研究開発を行政の支援で促進することにより、あらゆるがんの治療が可能になることが強く望まれます。
① 質問
がんの検診方法や治療方法の開発支援が必要と考えますが、市長の見解を伺います。
↓
① 市長答弁
これまでも、横浜市立大学の先進的ながん治療や、研究機関、民間企業等のがんに関する研究開発を支援しています。市民の皆様に、より有効な検診、治療を受けていただけるように、引き続き取り組んでまいります。
ふじい議員の奥様の闘病中のお話を伺いました。1日も早いご快復をお祈り申し上げます。
医療の進歩によりがんは不治の病から、早期発見すれば完治する病気となってきました。
がんの早期発見は、患者の健康を保つことはもちろん、行政の医療費負担軽減にもつながります。
行政としても、がんの早期発見に対する取り組みを更に進めていくべきと考えます
現在、八王子市や広島県とその県内6市が、官民一体となったSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)という取り組みを行っています。
これは、がん検診の受診を促すために、行政ががん検診促進の事業を民間企業に委託し、その企業が銀行や投資家から資金提供を募り、事業を実施するというものです。
行政から企業へは、実施後の成果に応じ報酬を含めた事業費を支払い、企業から投資元へは成果に応じた配当を払うシステムとなっています。
これを導入したことにより、八王子市では大腸がん検診の受診者数の増加につながったと聞いております。
横浜市でも同様にがん検診受診率が更に上がってくると考えております。
質問②
がん検診受診率向上策へのSIB導入について、市長の考えを伺います。
↓
市長答弁②
効率的に民間のノウハウや資金を活用できるメリットがあります。
一方で、本市では、かかりつけ医による直接的な受診勧奨等の取組も行っています。そのため、受診率が向上した際の要因分析が容易ではなく、適切な事業評価の仕組みづくりも課題であると考えています。今後、国の動向や他都市の状況を踏まえまして、慎重に見極めてまいります。
2.介護分野でのICT活用による手続きの負担軽減
次に介護分野でのICT活用による負担軽減について質問を致します。
私の義母は訪問ヘルパーやディサービスやショートステイの介護を受けながら生活をしておりました。認知機能の低下が進み、現在は介護老人保健施設に入所しております。私自身が体験して初めて分かりましたが、介護サービスを受ける為には多くの課題があります。
サービスを受ける為には、様々な手続きをするのですが、揃える書類が多く、また足を運ぶところも多く、手続きがはんざつでスムーズに行かない不便さを感じました。また介護レベルの問題等で、サービス利用回数を増やしたくても増やせず、なかなか本人や家族の希望するサービスを受けることが出来ませんでした。医療で判定を受けることと、介護に定められているものとの違いが出てきて、実際の本人の症状や状態などが設定されている介護レベルに合わないと思いました。同じような問題で困っている方も多くいらっしゃるのではないかと考えております。
私の介護での経験や地域の方々のご意見やご要望も頂いた中で、 各種手続きをもっとスムーズに進められるようにして行きたいと考えております。
質問③
介護及び医療の情報連携により、介護の手続きなど区役所等での市民の負担軽減が図れるべき考えます。市長のお考えをお聞かせください。
↓
市長答弁③
介護と医療の情報連携に当たっては、個人情報の取扱いが課題となっています。
また、介護保険の利用の手続については、法令で定められているため、独自に変更することは困難です。一方で、手続の煩雑さは制度上の課題であると認識していますので、市民の皆様や事業者の皆様の利便性向上に向けた改善を、国に働きかけていきます。
病気と共存しながら、生活の質の維持・向上を図っていくことが重要になってきております。
特に認知症への対応については、地域ごとに、認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを確立するとともに、早期からの適切な診断や対応等を行うことが求められております。人口構造が変化していく中で、医療保険制度及び介護保険制度については、給付と負担のバランスを図りつつ、住み慣れた地域で一生涯安心して住み続けられるように、ICTを活用した医療と介護の連携強化を進めていただくことを強く要望します。
3.新たな劇場整備
次に新たな劇場整備について質問を致します。
11月27日に我が会派で、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールと愛知県芸術劇場に視察訪問しました。
視察をしましたが、新たな劇場は必要でしょうか。
横浜に本格的な多面舞台を持つ新しい劇場を造りたいと言われているので、類似するであろう劇場を視察した次第です。
ホールや劇場は、2面~4面必要です。機材の収納を配慮すると高さ30mと非常に大きな本格的な舞台を必要としています。オペラの劇場での客席は、床下の可動式オーケストラピットスペースでピットによって席数が削られまた、オペラは生声ですので奥行き36mが限界であるということからおおよそ1,800〜2,000席と席数にも限りがある事から、興行として採算を取るのが厳しく、非常に難しいビジネスです。
びわ湖ホールの建設は約245億円で駐車場の整備を合わせると約280億円、年間の指定管理料は約10億円。21年が経ち、今年度から始めた改修工事は、2025年度にかけて設備の昇降や演出の制御などに70億円を予定しているとのことです。
一方、愛知芸術文化センターは、芸術劇場や美術館などを合わせた総合文化施設として、平成4年に628億円で建設されました。年間予算は劇場や美術館を合わせて約20億円で、そのうちの指定管理料は約10億円です。25年経ち、改修工事に116億円の予算を確保して順次工事を進めているそうです。両劇場ともに、建設費も修繕費に関しても、滋賀県と愛知県からそれぞれ多額の支出されております。
林市長が示してきた劇場のイメージは、本格的なオペラやバレエの開催できる劇場となっていますので、相応の規模、そして大きな予算が必要となります。多額の予算が見込まれるのであれば、劇場整備を進めるべきかどうか、我々市会や市民の皆様が判断できるよう、いったい幾らかかるのか、金額の明示が必要ではないでしょうか。
質問④
劇場の整備及び運営に市が支出すべきこととなる必要な金額を、丁寧に検討した上で提示すべきと考えますが、林市長の見解を伺います。
↓
市長答弁④
ふじい議員からは、びわ湖ホールや愛知県芸術劇場の御視察についてご紹介いただきました。現状把握をされまして、本当にお聞きかせいただいてありがとうございます。
劇場整備の事業化に向けては、整備や運営に係る資金見通しなどを盛り込んで、また、持続可能な事業計画を立案するのは実に重要なことでございまして、まずは、そこの詳しいご提示はさせていただいていませんけど、今、ずっとそこのところをしっかりと研究をしております。建物だけでは何とか建てられるかもしれませんけれども、そこが持続的に観光のもとにもなる、芸術振興、子供たちの教育に資する市民の皆様に対して非常に楽しい場所になるということ、最高レベルの芸術エンターテイメント、伝統文化等を観られるような場所にするためには大変難しいチャレンジではございます。ですから、かつて、今現在、指定都市市長会20市においても、ほぼ劇場は出来上がってきておりますし、ないところも今、建設を計画又は建設中でございます。
本当に375万弱の都市で全く劇場を持たない、関内ホールだけという非常に珍しい例でございますので、ただただ持っていないから建てたいというようなことではなく、本当に類を見ないような、本当にこれが横浜市の経済振興であるとか、日本の芸術文化については非常に極めて先進国の中で予算が本当に少ない日本の将来のために、当然ながらスポーツ振興もありますけど、芸術振興すべきというような大きな視点で考えておりますから、この数字については厳しく精査をして、市会の皆様に細かくご説明をしてまいります。
4.中学校給食の実施
次に中学校給食について伺います。
全国で公立中学校の9割以上が給食を実施し、政令市では唯一中学校給食を実施していないのが横浜市という状況です。つい数年前まで、給食を実施していなかった川崎市では、現市長の方針により、市長就任からわずか4年間でセンター方式の完全給食を実現しました。また、大阪市ではデリバリー方式の給食を、市長のリーダーシップの下で、自校方式と親子方式を組み合わせた学校調理方式という大阪独自の方式での給食へ段階的に移行し、本年10月に中学校全校で学校調理方式の給食が実施となりました。
一方、横浜市のハマ弁は、当初想定の喫食率の20%にいまだ到達せず、直近となる10月現在で生徒は6.4%、先生が10.6%で全体として6.8%という状況は、市民のニーズを満たせていないものと言わざるを得ません。現在のハマ弁事業の協定期間は、平成28年度からの5年間で、令和2年度には終了します。令和2年度末までには、後1年4か月程残されていますが、現状を考えると20%達成は非常に困難ではないかと思うところです。
想定喫食率を大きく下回っている現状を勘案すると、ハマ弁が生徒、保護者に望まれているのか、一度立ち止まって検証する機会を設ける必要があると考えております。
現在、教育委員会では令和3年度以降に向けて、外部有識者を含めた懇談会を開催し、今後のハマ弁の方向性だけを検討しておられるようですが、現在のハマ弁をより良くするような検討だけでなく、中学校給食を望む声がどの程度あるのか、ハマ弁が生徒、保護者からどのように受け止められているのかなどをアンケート調査等から客観的に評価していただきたいと思います。そこで、
質問⑤
令和3年度以降に向けて、中学校給食の実施についてニーズの把握や、導入方法及びスケジュールの検討をすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
↓
市長答弁⑤
横浜市では、自校方式、親子方式、センター方式での給食は、コストやスペースの問題で困難と考えております。
今回のアンケート結果から、ハマ弁を学校給食法上の給食と位置付けて提供する「デリバリー型給食」を望む声が多いということが分かりました。令和3年度以降に向けて、供給体制の確保や公会計化などの課題を乗り越えられるか、検討を行ってまいります。
横浜市の子育て世代の不安や負担を軽減し、より子育て世代に優しい横浜市とするためにも市民からの要望もある中学校給食の早期実施は重要と考えています。市民ニーズや想いに寄りそい、中学校給食実施をして頂きたいと強く要望して次の質問に移ります。
6.カジノを含む統合型リゾート誘致の是非について
最後にカジノを含む統合型リゾート誘致の是非についてまずは、カジノ誘致に関する市長のご発言やお考えに関して質問致します。
林市長は8月22日にカジノの誘致を表明されました。
我が会派は、明確にカジノ誘致反対の立場に立ち、林市長に対し、8月23日に、カジノを横浜に誘致するとした判断を速やかに撤回するよう、緊急要請を行い、第3回定例会に提出されたカジノ誘致の補正予算に対して我が会派は修正案を提出させて頂き採決の時においても反対をさせて頂きました。
12月4日、最初の市長自ら行う市民説明会が、開港記念会館で開かれました。
スライドの資料も配布されて市長自らご説明をされました。
質問⑥
第3回定例会議で日帰り観光客の割合について国と横浜市の算出方法が大きく異なっていると指摘を受けたのに、12月4日の類似の資料を使いカジノ誘致を説明することは正しい情報で無く誤解を招くと考えますが市長の見解を伺います。
↓
市長答弁⑥
観光の状況を都市間で比較できるデータは、観光庁が毎年実施している調査しかございませんが、この結果は、都道府県単位でまとめられており、本市のデータが示されておりません。
このため、横浜市が独自で平成21年度から実施している調査の過去5年間の推移を、市会、説明会でお示ししたものです。傾向をつかむための比較としては妥当なものだというふうに考えています。
質問⑦
反対意見が多いのは、市長がおっしゃるように市民の理解が不足からでしょうか。断じてそのようなことはありません。十分に理解しているから反対しているのです。市長自らの説明会後に説明会に参加した市民に、直接、カジノ誘致の是非を確認すべきと考えておりますが、市長の見解を伺います。
↓
市長答弁⑦
現在は、日本型IRの仕組などを十分にお伝えできていない中で、ギャンブル依存症の増加や地域の治安への影響について心配する声を多くいただいております。
また、もちろん反対する方も多いわけございますが、そのため、説明会では、横浜の現状、横浜が目指すIRの姿、つまり横浜の特に財政状況です。それからもちろん経済活動とかスポーツ活動など、色々な面で活動推進が図られていると、そのようなご説明も、市の現状をご説明した後に、IRの話をさせて頂いています。
ですからその話の中で、なぜ私がIRを実施したいというふうにお話をしているかということをご理解いただけるように、分かりやすくお示しているところでありますが、世界最高水準のカジノ規制の内容は、もちろん反対の方、特にギャンブル依存症と治安への悪化が不安だという方に、カジノの規制の内容や、治安・依存症の対策に関する国や横浜市の取組をお伝えしております。
もちろん反対と仰っている方も色々な思いの中で、お考えで、仰っていますが、横浜市としてはこういうリスクや課題に対して、こういうことをやっていくんだというプレゼンテーションの方向性に、もうちょっと分かり易く改めないといけないということを2回やって感じましたので、その辺も細かく、3回目からなるべくより良く分かり易いように修正しながら、ご説明していきたいと思います。
それから会場の皆様から質問書の内容、15分間の休憩の時間に書いていただきますと、そこにいらっしゃる方、手挙げ方式だとただ手を挙げて頂く方のご意見しか伺えないのですが、本当に声を出せないというか、ちょっと手を上げるにはという方も多分いらっしゃるのではないかと思うので、そこで書いていただいています。
それから、なにぶん450人から460人のお客様の一人一人の質問に答えていくと、かなり、大変お話の長い方もいらっしゃるし、色々な方がいらっしゃいますので、会全体が非常に長時間になってしまうこともございますから、その辺は丁寧にご説明して、これはまず、わたくしが18区最初に一回出て、お話をしていて、これからも順次、本当に一問一答でやる会も設けますということもご説明しているところであります。
そしてこの質問書の内容、だいぶいただくんですけれども、その内容に対するお答えについても全てホームページでお答えしたり、区役所で回答が見えるような形にしております。
報道によると「なぜ一方的な説明だけで市民と直接、話をしないのか」と、客席から声を上げる場面もあったとあります。また8月22日の記者会見でも市長は、カジノ誘致に関して、市民の意見を踏まえるとしながら住民投票は行わないとおっしゃいました。
質問⑧
12月4日に中区で行われた説明会の後にも、記者に「市民に反対意見が多くあっても誘致の撤回や住民投票はしないのか」と問われ、市長は『しない』
ご発言されたと報道にありましたが事実でしょうか。この発言が真実であれば、なぜ市民の声を聴かないのでしょうか。市長の発言の真意について伺います。
↓
市長答弁⑧
まずは、中区や神奈川区で実施したような説明会で、今お話ししたように、私自ら、市民の皆様にご説明させていただきましたけれども、IR整備法において、住民の意見を反映させるために必要な措置としてでございますが、そこで賛否を取らないというご質問でございましたと思いますが、IR整備法においては、住民の意見を反映させるために必要な措置として、都道府県等との協議や同意、公聴会の実施、議会の議決など、民意の反映方法について規定されています。
そのうえで、どのような民意を反映していくかについては、私自身も、説明会の中で直接皆様のお顔を見ながらお話していますから、書いていただくことも抽選に当たるとか、司会者から引いてもらったとか、直接その方のご意見を伺いますので、重ねることによって、国の情報を参考にしながら、民意を反映していけるかについては検討していけると考えております。
また、横浜市に寄せられたパブリックコメントでカジノに関するもののうち94%は、反対の意見でした。
市長は、市民の意見を踏まえる、とおっしゃっていましたが、市長にとって6%の賛成意見が踏まえるべき意見で、94%の意見は無視しても良いとお考えなのでしょうか。
朝日新聞が今年の9/28,29に横浜市民を対象に実施した世論調査では、住民投票を行うべきという意見が、59%にも上りました。
本来、民主主義であれば、市民の意見を強く踏まえる、ということは選挙や投票による市民の意見を反映することです。
質問⑨
市民の多くの横浜にカジノはいならい、カジノ誘致反対の意見を、いったいどのように市政に反映されるのか、市長の考えを伺います。
↓
市長答弁⑨
まだ多くの方々にIRはカジノととらえられているのではないのかなという気持ちが私はしております。そういうことも、事実、色んな市民の方に言われます。
ということで、IRの全体の姿は、今、日本にIRがありませんので大変想像しにくいというふうに思います。
説明会では、動画でもなく写真、特にいくつかの、現在ある統合型リゾートの写真をお見せしているだけで、ちょっとこれも、なにか感じにくいかなという気持ちもあるんですけど、残念ながら、今のところはそのような状態ですから、とりあえず第一歩としては、こういうのが全体の統合型IRでございまして、MICE施設もかなり大きく、エンターテイメントも色んなものがあるんですよということを、お示していますけども、まだお伝えしきれていませんので、いろんな動画等でご覧いただくような工夫もしなくてはいけない。ホームページとか色んな物を使って、広報よこはま等で皆様にお伝えしていく方法をさらに進めていくというふうに考えております。
反対意見の多くはですね、私自身、色々ご意見、実際賛成の方もすごくいらっしゃるんです。ぜひやってくれという市民の方もですね、個人的になってしまいますが、色々なところにいても、色々と肩を叩かれて言われたりもします。
ですからこういう賛否両論とか、拮抗しているという、どちらが多いか少ないかというのはまだ、やっぱり反対の意見を多く聞きますが、でも本当に賛成だと、だからそのために反対の方もいらっしゃるんだろうから、更にIRが解るようにしっかりと説明してくださいと仰る方もたくさんいらっしゃいます。
市民説明会を始め、繰り返しますが、様々な機会を通して市民の皆様にご丁寧な説明は続けさせて頂きたいと思います。
住民投票もしない、横浜にカジノはいらないという多くの市民の想いをないがしろにするのであれば、市長の任にふさわしくないと多くの市民が考えるのも当然であります。
市長は、きっちりとカジノ誘致を公約にして、
質問⑩
市長の出直し選挙を行う考えはありませんか。
これこそそがカジノ誘致の是非を決めるもっともよい方法だと思いますが、市長の見解を伺います。
↓
市長答弁⑩
9月の第3回市会定例会において、IRの実現に向けた本格的な検討・準備に関する補正予算を議決していただきました。
現在、この補正予算に基づき、実施方針の策定など、IR実現に向けた取組を進めておりまして、選挙については考えていません。
次に、カジノに関する実際の経済効果や横浜市に与える影響に関して
ご質問します。
市長は、ご自身で、カジノ誘致に関しては、
「消費や税収の減少、社会保障費の増加など、経済活力の低下や厳しい財政状況が見込まれ、横浜市の都市としての活力を維持し、子育て、医療、福祉、教育など市民の安心安全な生活をしっかり維持していくための最良な方法として検討」
とご説明されていました。
韓国「射幸(しゃこう)産業統合監視委員会」の研究によれば、二〇一四年の韓国全体でのギャンブル産業の売上高が十九・八兆ウォン(約一兆九千八百億円)であるのに対し、ギャンブル依存症による負債の利子費用、仕事の生産性低下・失業、医療、犯罪被害、警察関連、自殺関連などの社会的費用(ソーシャルコスト)は、七十八兆ウォン(約七兆八千億円)に上るとされており、差し引き約六十兆ウォン(約六兆円)の負の経済効果が発生しているとの結果が公表されております。
実際、韓国のカンウォンでは、自国民カジノを誘致したために、自殺率犯罪率はともに上昇し、街には、サラ金、質屋、風俗店が立ち並び、治安と風紀は悪化し、とうとう地元小学校は隣町に移転。人口は15万人から3万8千人にまで減少し地域社会は完全に崩壊したとも言われております。これは、何も隣国だけでなく日本でも懸念されていることです。
質問⑪
カジノ誘致を進めるのであれば、その経済効果と社会的費用(ソーシャルコスト)の両面で調査を行い、市民にとってのデメリットの部分も、しっかりと説明すべきと考えますが、市長の見解を伺います。しないというのであれば、そのしない理由もお答えください。
↓
市長答弁⑪
経済効果については、今後、実施方針や区域整備計画の策定に向けて、施設の構成や規模を具体化していく中で、さらに精度を上げて、明確化していきます。
また、ギャンブル等依存症の予防・治療・調査、治安の維持など、IRの懸念事項等に関する自治体の施策にかかる経費についても、区域整備計画の策定までに明らかにしていきます。
カジノには、負の経済効果もあり、横浜においても実際には、多額のソーシャルコストがかかることが想定され、負の経済効果も計算に入れていない現状では、1200億円の市増収の見込み額は、正しい情報ではありません。
IRは横浜市の財政にプラスになるとのことですが、IRは民間企業であり、赤字や撤退の可能性もあると考えております。そうなれば市の増収に貢献しないばかりか、撤退する事態に陥れば、市民の負担が発生するリスクさえあります。
質問⑫
カジノ業者が赤字や撤退するとの事態に至ったときに、市民負担はゼロだという保証はあるのか、市民の皆様にお示しすべきと考えますが、市長の見解を伺います。しないのであればその理由も答えて下さい。
↓
市長答弁⑫
IR整備法では、IR区域は民間事業者により一体的に整備・運営されるものでございまして、事業の運営に関しては、事業者が責任を負います。
事業継続が困難となった場合における措置については、設置自治体と事業者の間で締結する実施協定において明らかにしていきます。
IPS Forum on the Casino Proposaの調べによれば、カジノ施設から約80キロ圏内居住者のギャンブル依存症疾患率は、それ以外の地域の2倍という報告があります。
山下ふ頭から半径80km圏内となると東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡、茨城、山梨にまで及ぶ広範囲となります。
カジノ誘致により他都市にも負の影響を与えるという認識はありますでしょうか。
カジノ利用者は他の自治体から来ることも当然予想されます。そこで
質問⑬
他都市におけるギャンブル依存症や治安対策にかかるソーシャルコストについて、市長はどう考えているのか、市長の見解を伺います。
↓
市長答弁⑬
国の基本方針案では、国や地方公共団体、IR事業者など、関係者が密接に連携して、カジノ施設の設置・運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うことが求められています。これらの中で、他都市からの利用者も含めた対策を進めます。
また、秩序の維持や防犯体制の強化など、治安の維持については、今後、警察等と協議しながら検討を進めます。
カニバリゼーションとは、共食い現象というもので、わかりやすいのが、郊外に大型ショッピングセンターが開業することで、地元の商店が衰退するような事例です。
これは、カジノでも起こりうるという統計がでています。
アメリカのニューハンプシャー州では、カジノを導入することで周辺地域から消費の4割から6割がカジノに吸収され、カジノ収益の70%近いカニバリゼーション(共食い)が発生し、地元の消費が落ち込み小売業や飲食店が淘汰され、カジノが創出する雇用増の70%に相当する失業者が生まれる地域が存在すると推計し、地域を衰退させる懸念から、カジノ解禁を取りやめました。横浜市においても街を衰退させることが当然ありえます。
横浜にIRを誘致した場合、地域外からのカジノ客獲得によるギャンブル消費やその他宿泊・飲食等の消費による「目的地効果」(デスティネーション効果)の利益を享受(きょうじゅ)できるのは、主にIRを運営する事業者であります。その際に発生する需要、雇用、税収の増加は、カニバリゼーション(共食い)よる経済圏内での消費行為における所得(購買力)の移転によるものであり、周辺地域の需要、雇用を奪い、税収を減少させるなど地域経済や周辺地域を犠牲するものである可能性が十分考えられます。そこで、
質問⑭
このカニバリゼーションが起こることによって、IR以外の地元商店街や商業施設の負の影響をしっかりと市民の皆様にお示しすべきと考えますが、市長の見解を伺います。しないのであればその理由も答えて下さい。
↓
市長答弁⑭
IR区域内の、大規模なMICE施設や魅力施設等により、来街者の増加やビジネスの機会が創出されて、新たな需要と消費を生み出し、経済効果を広範囲に及ぼすものと私は考えます。
さらに、IRの推進と合わせて、周辺地域の魅力向上に努めるとともに、IRと周辺地域が連携することで、相乗効果を生み出していきます。
先進事例であるシンガポールでは、2つのIRのオープンに伴いまして、外国人観光消費額は10年足らずで倍増するなど、周辺地域へのシャワー効果が確認されています。
訪日外国人旅行者への意識調査では、日本でカジノを利用したいという外国人観光客は9%しかおらず、日本でIRが実施されたとして、その中で、ショッピングモールを利用したいと回答した人は42%、ホテル利用は40%、アミューズメント施設利用は40%、温浴施設利用が35%と、圧倒的にカジノ利用を希望する観光客が少ないことがわかります。
民間では、「横浜港ハーバーリゾート協会」がカジノ抜きの山下ふ頭の再開発を提案されています。
質問⑮
横浜市としても、例えば「IR無し」「カジノ無しMICEなどの誘致」「カジノありIR誘致」の3パターンで、横浜における外国人観光客数、インバウンド消費、雇用者数などの経済効果にどの程度の差が出るのか、調査してその上で市民の皆様にお示しすべきと考えるが如何でしょうか。市長の所見を伺います。しない、というのであればそれについても理由を述べて下さい。
↓
市長答弁⑮
日本型IRは、世界規模の大型MICE施設の設置が義務付けられており、大規模な投資の採算性を担保するために、カジノの収益を活用する枠組となっています。
私も海外のMICE施設見学をし、責任者の方とお話ししましたけど、やはりかなり公共からの補助金というのをかなり充てないと、民営だけでそこを黒字化するのは非常に難しい。
横浜市もパシフィコ横浜に低利融資であるとか、資金を投入しておりますけれども、どうしてもですね、カジノ収益を活用する枠組でなければ、それだけの世界規模の統合型リゾート、特に大型MICEですね、これはもうシンガポールの独壇場になっておりまして、横浜市も非常に人気があって、大変、世界中から横浜市で国際会議をやりたいというリクエストがあるんだけれども、応えきれない状態でノースをつくりましたが、それでも全然足りないと私は考えております。
国の制度設計の際にも、民設民営の大規模MICE施設が成立するのか検証しておりまして、カジノなしでは困難だという結果を国も出しております。
横浜市においては、市の財政負担がない、市の財政負担をしない民設民営で行う日本型IRが、最も税収を上げる一つの手段として有効であると考えております。
今後その経済効果については、実施方針、カジノ、IRの実施方針や、区域整備計画、これは山下ふ頭の区域のなかの区域整備計画ですが、それを策定する中で明らかにしてまいります。
質問⑯
カジノギャンブルは、お金を払って不幸な思いをして、人の不幸の上に成り立つビジネスです。私はそのようなカジノキャンブルに、横浜市の財政が頼ることになることが本当に健全な横浜のあり方ではないと思いますが、市長の見解を伺います。
↓
市長答弁⑯
IR整備法の目的は、世界水準の統合型リゾートを整備することによりまして、国際競争力のある滞在型観光を実現し、もって観光や地域経済の振興に寄与し、財政の改善に資するということでございます。
横浜の市税収入は、個人市民税が約半分を占めていることから、法人税収入が東京とも圧倒的な差でございまして、これは市民説明会の中で胸が痛くなるような御質問を受けました。
何でよその都市と比較するのかと言われたんですね。横浜は横浜でしょうと言われて、なるほどそうだなあということを思いました。
ただ、横浜の経済界の方がものすごく中小企業が多い中、上場企業が極めて少ないけれども、375万人の市民生活を支えて頂いているわけです。それも素晴らしいことですが、個人市民税が市税収入の半分でございますので、どうしても人口減少によるところの減収が見込まれるというところなので、法人市民税の増収につながる企業誘致とか中小企業の振興、商店街様の隆昌のための施策など、細かく議員の先生方と相談しながらやってきましたけど、この中でIRも様々な対応策の一つでございまして、IRにすべてを頼るということでは全くございません。
今までこういう税収の大変さ、大阪市のほうが、予算が多いんですね。273万人で100万人も大阪市は少ないのに1兆8千億を超える予算を立てられるわけです。そういう税収効果がある都市です。
そういう意味で将来を鑑みて、今はご承知のように議論しながら、ある程度財政的には健全的な財政の中で、なんとか皆様と知恵を使ってやっていると思いますけども、この先の、将来の人口が減少していく先でどうなのかということを考えますと、これはやはりやっていかないといけない経済活性化の一つのツールでございますので、それだけに全部傾けて、それだけやっていれば大丈夫だというような気持ちは全くございません。
我々、立憲・国民フォーラム横浜市会議員団は、横浜へのカジノ誘致には断固として反対して参ります。また会派として住民投票条例を含めてあらゆる方法を検討して参ります。
市長の見解とカジノ誘致撤回の言葉を求めまして、立憲・国民フォーラム横浜市会議員団を代表しての私ふじい芳明からの質問を終わります。